ロングステイ・ヨーロッパ編

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老後の住まい、ロングステイ・ヨーロッパ編

リタイア後したら、あなたはどこで何をしていますか?

大半の人がそのまま住み慣れた場所に住み続けるのではないでしょうか?

世界は広く、私達が知らないことがいっぱいあります。ワクワクすることがいっぱいあります。

日本に閉じこもるのではなく、世界に飛び出してみませんか?

どこか興味のある場所があるのなら、実際に現地に足を運んで、自分の目で見て、肌で感じて、地元の人たちと交流してみませんか?

今まで想像もしなかった人生が待っていることでしょう。新しい出会い、発見があるはずです。まさに、世界が広がるはずです。

観光が目的の短期の旅行ではなく、自分の興味のある場所でロングステイするのはどうでしょう?

ずっと同じ場所に定住するわけでも、毎日のように移動しながら観光地を訪れるわけでもない。数週間から数ヶ月の一定期間を一箇所に落ち着き、現地の人達と触れ合い、のんびりするのです。

1ヶ所に長期滞在して、また日本に戻ってくるのもよし。世界各地を転々とロングステイしてくるものよし。いくつか気に入った場所が見つかったら、渡り鳥のように一年間を数箇所に数週間、または数ヶ月単位で季節のいい時期を選んでロングステイするのも楽しそうです。

現時点では私がロングステイしたい場所は、日本から近く、文化も近い、東南アジアと安全で夏の気候がいいヨーロッパ、そして日本国内の3つの地域です。

一時期はテロが多発したせいで日本人観光客が減ってしまいましが、それでも場所を選べば安全にロングステイができるのがヨーロッパです。

暑い夏に日本を離れて、日照時間が長く、気候がいいヨーロッパに数ヶ月のロングステイをしてはいかがでしょう?

 ヨーロッパの良いところ

私は現在、ヨーロッパに住んでいます。日本の高校卒業と同時にヨーロッパに移り、フランス語を勉強し、その後フランスの国立大学の理工学部を苦学のすえ卒業しました。その後は日本には戻らずにヨーロッパで就職。

しばらくしてから、現在住んでいる国で国際を取得し、ヨーロッパで定住することになルわけですが、日本を離れてからかれこれ25年が経ちます。

来たばかりの頃は日本が恋しくて、いつか戻りたいとずっと思っていました。それが、結婚して子供ができてからは、逆に家族と過ごせる時間がもてるヨーロッパの生活の方が気にいっています。

ヨーロッパのどの点が気に入っているか、いくつかあげてみました。

陸続き

ヨーロッパは広大で陸続きであること。国境がなくなり、ヨーロッパ内であれば電車や車で簡単に国外に遊びに行けるのが嬉しい限りです。サイクリングをする際も、時には一日で3カ国をぐるっと一周することも可能です。

私たちのバカンスの過ごし方を例に挙げると:

  • 春はフレンチアルプスでハイキング
  • 日照時間が長い夏は、スペインやポルトガルの海でリゾートバカンス
  • 秋にはちょっと足をのばして、エーゲ海の島やカナリア諸島でのんびり過ごすこともあります
  • 冬はイタリア、フランスアルプスで一週間のスキーバカンス

陸続きで国境がなくなると、人の交流が容易になります。例えば、ルクセンブルグみたいに人口の半分が外国人とう国際豊かな国もあります。

様々な人種が共存し、みんながみんな外国人ため、自分が外国人であることに全く違和感がありません。生まれはベトナム、育ちは日本、国籍はヨーロッパのとある国、しかし血は中国人という私はそもそも何人という概念はなく、一人の国境なき人として認識しています。

島国の日本と違って、ヨーロッパは色々な民族、文化が入り混じっていて、様々な人たちと友達になれる機会がたくさんあります。

東南アジアでのロングステイのメリットの一つとして、同じアジア人であることだと言いました。しかし、東南アジアでは日本人は裕福な国民と見なされ、ぼったくられることが多く、スリに遭うリスクも高いようです。

その点、白人社会であるヨーロッパに住んでいても、アジア人として人種差別を受けたことはありません。国境を超えた一人の人間として扱ってくれます。

気候

ヨーロッパの夏の気候は最高で、どんなに温度が高くても肌はベトベトしません。とにかくカラッとしていて、過ごしやすいです。30度以上の気温でも日陰に入れば涼しく、日本みたいにじっとしていても汗をかくことはありません。

もちろん、エーゲ海の島などは40度を超えることもあり、地中海側は少し湿気がありますが、東南アジアのような不快感はありません。

冬は逆に日照時間が短く、寒い!どんよりとした日々が続き、北欧の方では鬱になり冬の間は自殺者が増えます。

ヨーロッパはとにかく夏が素晴らしい!日本、東南アジアでの気温、湿気が高い夏を避け、ヨーロッパに避暑しに来るのもいいでしょう。

通貨統一

島国で飛行機に乗らないと外国にいけない日本では、外国の紙幣を使うことが日常的ではありません。そのため、ユーロによって通貨が統一させる前のヨーロッパでは、国外に出るのに数種類のも通貨を持たないといけないのが、いかに面倒なのか理解できないでしょう。

25年前にヨーロッパに来た時はフランス、ベルギーと隣国に行くのですらベルギーフラン、フランスフランと使い分けないといけませんでした。その度に銀行に行き、通貨を両替なければいけません。

それが、欧州連合内で通貨が統一されたおかげで、ユーロがどこでも使えるようになり、ヨーロッパ内で旅行をするのが本当に便利になりました。

国境を超えて、隣の国に買い物に行くことも日常的なことなので、国境沿いに住んでいる人たちが特に恩恵を受けています。

夏のヨーロッパでロングステイ

私の夢は、半年はヨーロッパで夏を過ごし、秋から春までの半年は日本、東南アジアで過ごすことです。私が特に目をつけているヨーロッパでロングステイをするのにオススメの国を取り上げようと思います。

ポルトガル

ヨーロッパでロングステイをするのなら、絶対に外してはいけないのがポルトガル。ヨーロッパ内だけではなく、世界的にもリタイア先としてトップクラスに選ばれています。

地中海気候のおかげで一年中とても温暖。6月から9月までの夏の間は30度以上の温度を超えますが、日本みたいに湿度は高くなく、直射日光さえ注意すればとても過ごしやすい気候です。

シーフード料理が美味しく、ヨーロッパの中でもポルトガル料理もイタリア料理、スペイン料理と同様にとても日本人の口によく合います。

ポルトガルのオススメな点は他にも、

  • 新鮮な野菜、果物が安く手に入ること
  • 治安が良い
  • 物価が全体的に日本の半分以下
  • 国民はとてもおおらかでせかせかしていない
  • 旅行客が多いためか、英語が比較的通じる

北欧、西ヨーロッパの人たちがポルトガルのリスボンや南の海岸沿いのアルガルベで、悠々自適にリタイア生活を送っています。定年退職者は年金で、早期リタイアした人たちは自国の家を売り払った資金で、自国よりもかなり安い物価でリタイア生活をエンジョイしています。

自分自身も早期リタイアしたら、夏の1、2ヶ月程をアルガルベの海岸沿いで、のんびり過ごそうと考えているほどとても気に入っています。

スペイン

スペインもポルトガルも南ヨーロッパで隣り合わせの国なため、気候、物価、人柄も似た印象を持っています。

食の方では、パエリアを始め、ポルトガルと同じくシーフード料理がおいしいこと、新鮮な野菜、果物、魚介類が安く手に入ることも嬉しいです。

一年中を通して雨があまり降らず、乾燥しています。気温が高い夏でもカラッとしているため、肌がベトベトしません。夜でも気温が25度程あり、半袖、短パンで過ごせるのもスペインの良い所。

スペインの南の地中海沿岸部では、冬でも寒くないため、北欧、西ヨーロッパから大勢のリタイア者たちが自国の厳しい冬を避けるために集まって来ます。ヨーロッパに長く住んでいますが、ヨーロッパの人たちは上手に人生を謳歌しているなとつくづく思います。

お金が貯まったらさっさと仕事をやめて、早期リタイアに突入。とにかく、いかに早くリタイアできるかを常に考えています。そういう私もその一人ですが。

スペインは周りが大西洋、地中海に囲まれています。海が見える丘の上に立てたプール付きのヴィラがたくさんが賃貸に出ているので、比較的簡単に借りられます。

自分自身が早期リタイアしたら、ポルトガルと合わせて夏の数ヶ月をスペインで過ごしたいと思っています。

イタリア

年に一度、私たち家族は冬休みに一週間のスキーバカンスに行くのですが、最寄りのフレンチアルプスのスキー場に行けば良いものを、さらに車で2時間先の北イタリアのドロミテ地方のスキー場に行きます。

どうして近場に行かず、わざわざこんな遠くのスキー場に行くのか?

その理由を言うと周りの友人に笑われるのですが、美味しいイタリア料理がゲレンデでも堪能できるからです。日本のゲレンデもそうですが、フランス、オーストリアのゲレンドで出される料理は決しておいしいとは言えません。食堂などに出てくるような代物です。

その点、イタリアのゲレンデは違います。どこのレストランで食べてもおいしいのです!

フランスやオーストラリアのスキー場に行くと、昼ごはんは手作りのサンドイッチで済ませることが多いのですが、イタリアではピザとスパゲティがあまりにもおいしいので、我慢できずにゲレンデにあるレストランに入って食べてしまいます。

ヨーロッパにかれこれ25年以上住んでいますが、個人的に料理の最高峰と言われるフランス料理よりも、気軽に食べられるイタリア料理の方が好きです。イタリア料理は本当に何食べても美味しく、日本人の口によく合っています。

気候はポルトガル、スペインと似た気候を持っていて、夏はとても過ごしやすいと思います。しかし、主観的な意見ですが、イタリアには短期で旅行に行くのならまだしも、長期で滞在しようとは思いません。

どうしてか?

これも、個人的な経験からの意見ですが、イタリアは典型的な良しも悪しもラテン気質を持っています。

とにかくいい加減な人が多いのです!はっきり言って、信用できません。みんながみんなそうだとは思いませんが、滞在先で嫌な思いを何度もしました。

私がイタリアに行く理由はただ一つ、イタリア料理がおいしい。ただそれだけです。グルメのためにだけ、ロングステイをするのも実は悪くないのかもしれません。

フランス

フランスでロングステイをするのなら文句なくパリと南仏の2つがオススメです。

パリは言われなくてもご存知の通り、歴史のある街。散歩が好きな私は、あてもなく散歩するだけでも楽しいです。疲れたらカフェのテラスでちょっと一休みし、町中を歩くパリジェンヌを眺めるのも好きです。

パリはオシャレな街で、ショッピングやエンターテイメントが好きな人にはいいでしょうけど、私みたいに興味のない人にはあまりむいていません。個人的にはフランスでロングステイをするのなら、パリよりも南仏を選びます。

南仏プロヴァンスとコート・ダジュールはフランス人自信たちが絶賛するほど、フランスの中でもロングステイをするのに条件が揃っています。

  • 温暖な気候、晴天が年に300日もある
  • ニースやカンヌは別ですが、せかせかしてなく、フレンドリーな人が多い
  • ラタトゥイユ、ブイヤベースなど、南仏料理、地中海料理は美味しく、とてもヘルシー
  • 山も近く、夏はハイキング、冬はスキーができる

ポルトガルやスペインも同様に好条件が揃っているのに、あえて物価が高めのフランスを選ばなくていいように思います。

では、あえてフランスを選ぶ理由はなんだろうかと考えてみたら、パンがおいしいことを思い出しました。

フランスはとにかくパンがおいしい!

これだけのために、フランスをロングステイ先に選ぶ価値はあるかもしれません。

東欧諸国

ヨーロッパと言っても、西ヨーロッパと東ヨーロッパでは生活水準、町並みがだいぶ違ってきます。私は現在、西ヨーロッパのとある国に住んでいるので、西ヨーロッパの事情の方がよく知っています。彼らのリタイア先は南ヨーロッパと決まっています。

南ヨーロッパは気候、物価、人柄、治安のどれを取っても、リタイア者たちを惹き付ける条件が揃っています。

西欧諸国でリタイア生活を送る人たちはよっぽどお金に困っていない人たちで、そこの地域に惚れ込んでいる人たちでしょう。

では、南ヨーロッパに行かずに、東欧諸国でロングステイ、リタイア生活をするメリットはどこにあるのか?

それは、物価が安いことが一番の理由だと思います。国内総生産を見ればわかると思いますが、ドイツ、ベルギー、フランスの場合は4万ドルのところ、東欧諸国の国内総生産は低いところではブルガリア、ベラルーシ、セビリアなどは7千ドル前後、高いところでもスロベニアの2万ドルが最高。

ちなみに、日本は3万5千ドルです。つまり、日本の半額以下の物価で生活ができるということです。

物価の低い国でロングステイをするのなら、わざわざ日本から遠いヨーロッパに行かなくても、東南アジアがあります。どうしても中世の町並みがあるヨーロッパでロングステイがしたいけど、物価が日本と同じか、または国によっては日本よりも高いのがネックであれば、東ヨーロッパがオススメです。

しかし、物価の低い分、西ヨーロッパと比べて劣る部分もあります。東ヨーロッパに限ったことではないのですが、それは治安です。

どうしても、貧富の差がある大きい国では、強盗、スリ、空き巣、車上狙いなどが多くなります。もちろん、どの国にも治安が悪い地域もあれば、比較的良い場所もあります。一般常識をもって行動し、怪しい場所、地元で危険だと言われている場所にはなるべく近寄らないようにするなどのルールを作れば、ある程度はリスクを抑えられるでしょう。

まとめ

日本は別ですが、アジア旅行からヨーロッパに帰ってくると思うのですが、ヨーロッパの生活水準の高さに驚かされます。生活していくだけで精一杯のアジアと違って、生活にとてもゆとりがあります。

ゆとりがあると、治安も良くなるし、人を騙そうと考える人も減ります。もちろん、犯罪が全くのゼロとは言いません。

しかし、全体的に身に危険を感じることもなく、快適に過ごせるのがヨーロッパのいいところです。

ヨーロッパでのロングステイを簡単にまとめると:

  • 基本的に街が綺麗
  • 気候や良い、夏の日照時間が長く、夜の10時まで明るい
  • 全体的に治安が良い(最近ではテロが起きているので、一部の大都市は危険かもしれませんが)
  • 南ヨーロッパ、東欧諸国の物価が安い
  • 外国人であることを意識する必要がない
  • ヨーロッパの観光地であれば大抵は英語が通じる
  • マナーが比較的良い(中には列に割り込んでくる国民もいますが)
  • 通貨が統一され便利
  • 陸続きで国境がなくなったので他の国への移動が楽

いかがでしょう、ヨーロッパでは東南アジアよりも優雅で、洗練されたロングステイが期待できます。セレブになった気分が味わえることでしょう。

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