発展途上国で学んだこと、「謙虚でいること、誰に対しても感謝の気持ちを持つこと」

発展途上国に行くといつも思うのですが、貧富の差が中々無くならないなと。貧富の差は先進国にも存在しますが、発展途上国の方がはっきりしています。お金持ちは投資をしてもっとお金持ちになり、物価が上昇しても収入が上がらない貧しい人たちはもっと生活が苦しくなり貧しくなる。

私が訪れた東南アジアのいくつかの街では、現地の人たちの間に貧富の差がありますが、欧米人のリタイア者というまた違った富裕層が存在します。

国民全員が中産階級と言われている日本にでも、貧困層は存在しますよね。それでも、日本全体から見れば少ない方です。東南アジアみたいに貧困層で形成されているコミュニティがあるわけではありません。

しかし、東南アジアでははっきりと富裕層、ごく普通の一般階級、貧困層と分かれるわけですが、さらに欧米人のリタイア者という現地人とは違う生き方をしているコミュニティも存在します。 現地の富裕層と欧米から来たリタイア者たちは大きくて、きれいなコンドミニアムかヴィラに住み、貧困層は廃墟のような家に住んでいます。

格差がはっきりしている社会で、富裕層と貧困層がどのように共存しているのかとても気になります。先進国から来た私たちは発展途上国では富裕層の部類に入り、全く偉くもないのですが、なにか偉くなった感じがする時があります。

お金を人よりも少し多く持っているいうだけで、なにか気が大きくなり、横柄な態度をとる人がいます。

発展途上国に存在するこの格差が、時には旅行者にも悪影響を及ぼしていることがとても残念です。そのような人をたくさん見てきているので、私自身が横柄な旅行者にならないように心がけています。

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嫌な仕事も誰かがしなければいけない

例えば、タイから数百キロ南にホアヒンという町があります。この街を訪れた際に、ホアヒン駅の裏側の丘の上から街を一望できる場所に向かう途中、方向音痴の私はいきなり貧困層が住んでいる地域に迷い込んでしまいました。

完全に社会から見放された人たちが街の中心地から歩いて10分もかからない、さほど遠くない場所にコミュニティを形成して生活をしているとは想像も付きませんでした。

ちょっと治安が悪いのではと、ヤバイと思いながら先に進もうか戻ろうか迷いながらウロウロしていたら、住民が助けの手を伸ばしてくれました。「お金はとらないよ」と言って、バイクで大通りまで案内してくれたのです。とても親切してくれたのに、貧困層の地域は危険というイメージを持っていた自分がとても恥ずかしくなりました。

タイ人の知り合いに彼らについて質問をしたら、政府は全く関与せず、無視しているとのこと。社会福祉などは存在せず、自分の力で生きていくしかないのです。

それでも、彼らは一生懸命に生きています。おそらく、誰もしたがらないような仕事を引き受けて生計を立てているのでしょう。一般的に世の中の人たちは低所得者層、貧困層たちがする仕事を軽蔑しています。しかし、誰かがしなければいけない仕事をしてもらっているわけですから、軽蔑ではなく尊重するべきでしょう。

色々な職種がありますが、固定給ではなく、日雇いや、お客からもらうチップが収入源という人達もいます。生活していく上で一生懸命に働いている人たちが、世の中にはたくさんいるということを改めて認識させられます。

彼らに対して、上から目線で見るのではなく、サービスを受けたらちゃんと感謝の気持ちを持ち続けたいと思います。

誰に対しても感謝の気持ちを持つ

一度、バンコクでマッサージを受けている時にレジで支払いをしている若い日本人カップルを見かけました。彼らはマッサージをしてくれたおばさんたちに、お礼のチップをあげていました。いいことだと思います。しかし、彼らのあげ方が少し横暴でした。お札を投げ出すように渡すのです。

一言「サンキュー」と言って渡せばいいものを、全く一言も発せず、少しの笑顔も見せずにお店を出てきいきました。

完全に上から目線で、貧しい人たちのために恵んであげたと思っているのでしょう。本当におこがましいことです。 もらう彼女たちの顔には笑顔がまったくありませんでした。彼女たちにもプライドはあります。 正直言って、そんな気持ちのこもっていないお金はもらいたくないはずです。

しかし、生活がかかっているので怒ることもできません。

見ていて、とても不快な思いをしました。自分はあのように無礼で、感謝の気持ちが持てない日本人カップルみたいにはなりたくありません。

外国に行ったら謙虚な態度をとりたいものです。私が常に心がけていることは、

  • 彼らの国に住んでいるという自覚を持つこと。
  • お金ですべてを解決できるとは思わないこと。
  • お金を持っている者が、持たない者の上に立つという考えを持たないこと。
  • 感謝の気持ち常に持っているべきで、人種、民族、年齢、社会的地位に関係なく誰に対しても「ありがとう」の一言を言うこと。

「ありがとう」という言葉は魔法の言葉だと思います。お礼を言われると嬉しいですよね。「ありがとうは」人間関係を良くしてくれる言葉、人を幸せにしてくれる言葉です。

恵まれている私たち

こんな事を言ったら彼らに失礼かもしれませんが、先進国で生まれ育ち、物質的に何不自由なく生活をしていることがとてもありがたいと思います。もっとも、私はベトナム生まれなので先進国生まれではありませんが、育ちは日本です。

命がある、住む場所もある、食べていけるだけのお金もある。衣食住が確保されているのにもかかわらず、私たちは何かと不満不平を言っています。かたや、日々の食費を稼ぐだけでも大変な人たちもいます。

生まれ故郷のベトナムに帰ると、親戚の住んでいる下町には貧しい暮らしを強いられている人たちをたくさん見かけます。5,6歳の子供を引き連れて家族でゴミを収集し、生計を立てている場面を見かける時がありますが、見ていてとても心が痛くなります。

自分たちが置かれている状況がいかに恵まれているか再認識させられます。些細なことでよくイライラすることがありますが、本当に大したことなどなく、バカバカしいと思うようになります。

まとめ

東南アジアは日本と違い、様々な社会階級から構成されています。彼らは自分たちの生まれた環境に悲観的になって、犯罪に走るのではなく一生懸命に生きています。そんな彼らを尊重したいものです。何か手伝ってあげられるものがあれば手伝い、何かサービスを受けたら心から感謝しましょう。

自分たちが置かれている恵まれた状況に感謝し、世の中の誰に対しても謙虚な態度で接し、感謝の気持ちを持てばいつも心が穏やかでいられます。嫌なこと、つらいことがあったら、過酷な環境にかかわらず一生懸命に生きている人たちのことを思い浮かべてください。

頑張って生きようという勇気が湧いてくるはずです。

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