肥満が多い国はどこの国かと聞かれるとアメリカを筆頭に欧米諸国を思い浮かべますよね。
逆にアジア人は細いというイメージがあります。しかし、東南アジアを旅行して思うのですが、意外とぽっちゃり体型の人が多いことに驚かされます。
東南アジアの食は欧米諸国に比べてヘルシーなイメージがあり、肥満が少ないはずなのに、どうしてぽっちゃり体型が多いのか?
世界保健機関の情報によると日本の肥満率は4.5%。東南アジアの肥満の人口比率が10%を超えているところはありません。アジアで一番比率が低い国はベトナムで1.5%です。肥満率が低いからといって細い人が多いというわけでもありません。
あくまで、BMIが30を超えている人が肥満と定義されているので、30以下の人はこのランキングに数値にはカウントされません。BMIが25から30の間の人も本来なら肥満に入るはずですが、世界保健機関のランキングに使われる基準以下というだけで肥満と見なされないのは少しおかしい気がします。
この肥満率を見る限りでは東南アジアの人々は痩せているに違いないと思うのも当然です。
しかし、東南アジアで私が見てきた印象は違います。
子供の頃は新陳代謝が良いので肥満な子供はあまり見あたりません。学校で運動などをしてエネルギーを消費しているからでしょう。と言っても、欧米諸国では子供の間にも肥満が多いですけど。
大人になれば基礎代謝量は減ります。今まで通りの生活習慣を続ければ、確実に一日の摂取カロリーと一日の代謝量との差は少しずつ増えていきます。東南アジアにぽっちゃり体型が多いのは食に原因があるのか、それとも運動不足なのか?
東南アジアには世界保健機関が定めるBMIの数値が30以上の肥満が多くのないのに、どうしてBMIが25〜30の間のぽっちゃり体型の人が多いのか、その理由を考えて見ようと思います。
肥満は多くないがぽっちゃり体型を作りだす理由
これらの肥満大国では動物性脂肪、動物性タンパク質を多く摂っていますよね。東南アジアでは豚肉を結構食べていますが、乳製品はあまり見かけません。全体的に動物性食品の摂取量は欧米諸国に比べたら絶対に少ないです。
なので、食だけを見れば、欧米諸国の方が太る要素は東南アジアよりも多く持っています。それでも、東南アジアにぽっちゃり体型が意外と多い理由はどうしてか?
考えられるのは、体を動かす習慣がないからなのか?
運動不足
よく、東南アジアの町中を歩いていると、早朝か夕方に公園や砂浜で運動をする姿をよく見かけます。ちなみに早朝や夕方に運動をする理由は、日中は暑いので涼しい時間帯を選んでいるからです。公園や海辺で運動をしている風景を見ると、意外と健康志向な人が多いなと一瞬思うのですが、さて本当なのだろうか?
数百万人の人口をもつ大都市において、どれだけの人が公園や浜辺に行って運動をするのでしょうか?どこの国も健康志向な人とそうでない人はいます。なので、私が見た彼らはやはり健康志向でも、少数派だと思わずにいられません。健康志向な人は全体的に少ないように思います。
どうしてそう思うのか?
多くの東南アジアの人たちは一歩外に出るにしてもバイクを使います。暑いせいか歩こうとしません。
私みたいに自転車で数十キロ走ったり、徒歩で平気で1日中歩きっぱなしなのは彼らにしてみれば、私はクレージーな外国人と思っているのでしょう。
肉体労働者たちは一日中仕事で体を動かしているので痩せている人が多いのですが、それ以外の人たちは歩かないし、それほど運動をしているわけでもない。
一般的にアジア料理はヘルシーなイメージがあるのにも関わらず、街中で見かける売店、路上で商売している人たちの多くにポッチャリ体型の人たちが多ことに驚かされます。
ベトナム人女性は若い頃は細くて、民族衣装のアオザイが凄く似合う体型をしているのに、中年になるとビックリするぐらいポッチャリします。東南アジアの食は野菜と香辛料、ハーブをたくさん使い、とても健康的だと思うのですが、中年になってからポッチャリ体型が多くなるのは、歩かないことと運動不足が原因の一つだと思います。
甘いものが好き
運動不足以外にも実は食にも問題点があると思います。東南アジアを旅行して気づいたことは、東南アジアは果物、野菜をたくさん食べるという点ではいいのですが、甘い飲み物が大好きということがとても気になります。
コーヒー、ドリンク、デザートはもちろん、スープにも少し砂糖を足して甘くします。
普段の食事に砂糖をたくさん摂っていることが、ポッチャリ体型を作っている原因の一つなのではと疑っています。
コーヒーやシェイク、アイスティーなどの飲み物に練乳や砂糖をたくさん使っています。東南アジアに限ったことではないのですが、問題は使っている砂糖にあります。先進国でもそうですが、砂糖は砂糖でも精製された白砂糖を使っています。
白いものは体に悪いと前に書きました。もっとも白いご飯や白いパン、白い麺もそうです。そういう意味では東南アジアだけではなく、日本も同じです。
しかし、日本人は歩きます。出勤するのに歩きます。主婦も家事を自分でこなし、運動をする人も多いです。
ヨーロッパではどうか?
ヨーロッパの食はやはり乳製品と肉が多いため、肥満が多いのは誰もが知っていること。食事に注意して運動を積極的にしている人たちはスリムです。しかし、運動はするが食事はあまり注意しないとどうなるか?
ごく普通に食べても西欧食は牛乳、クリーム、バター、肉など動物性脂肪、動物性たんぱく質をたくさん摂ります。 運動を定期的にしていても、摂取カロリーの方が消費カロリーを上回っていると思います。
日本ではどうか?
一般的に和食は健康的だという認識がありますが、いくつか疑問があります。
- 和食に砂糖がよく使われていること。
- 欧米諸国では寿司は健康食と言われているが、寿司屋に行けば炭水化物とタンパク質だけでできているお寿司だけを食べ、野菜をほとんど食べない。
- 白いご飯が一般的に食べられている。玄米を食べているのはほんの一部の家庭。
白いご飯を食べると一気に血糖値が上がりため、糖尿病になる原因だと思うのですが、白いご飯を主食にしているのにも関わらず、日本では細い人が意外と多いのは驚きです。
では、東南アジア人も砂糖は摂るし白いご飯も食べるのに、日本とは違いぽっちゃり体型が多いのはなぜろう?
教育と健康の関係
日本人は国民みんなが中学までは義務教育を受けています。高校、大学まで進学している人が多いため、一般教養と知識があります。そのため、健康でいたいのは今も昔も同じですよね。しかし、正しい知識を持っている人と、持っていない人とでは健康への関心度が違います。
日本で健康産業が盛んなのは、発展途上国である東南アジアに比べて日本では全国民が教育を受けているからです。
外食では白いご飯が一般的に出されますが、食べる量を減らすとか、玄米ご飯を食べるようにするとか、野菜を多く食べるとか、何かと食に注意を払っている人が東南アジアよりも断然多いです。
散歩が健康に良いのは日本では誰もが知っていること、夏の暑い日はさすがに外出するのは熱中症になるのでしませんが、散歩に出かける人は多いです。
東南アジアの中にももちろん健康志向の人はいます。そのため、食の安全を考慮してオーガニックフードにしている人たちも増えています。しかし、輸入品も多いため客層は経済的にゆとりのある人が多いようです。
アメリカの低所得者に肥満が多いのもやはり、教育と関係しています。ファーストフードを食べるのは健康に悪いと思っていないのか、あるいは悪いと知っていてもそのあとの起こりうる結果まで考えないのでしょう。
世界の寿命ランキングを見ればわかりますが、上位は先進国が占めています。しかし、アメリカは先進国なはずなのに36位と高くありません。それはやはり、教育を受けている人と満足に受けていない人の間の格差が原因だと思います。
まとめ
東南アジア人に意外とポッチャリ体型が多い理由をまとめると
- 一年中暑いため、炎天下の中で歩ける状態じゃないので歩かない
- ちょっとそこまで、近くに行くにも歩かずにバイクや車で移動する人が多い
- 十分な教育を受けている人が先進国に比べて少なく、健康に対する意識が低いので食、運動に注意しない
- 甘いものが好きで、白砂糖をいっぱい使ったドリンクを飲んでいる
- 意外と肉を食べているのにもビックリ、特に豚肉、それも脂身が美味しいと言ってたくさん食べる
東南アジアを旅行して、現地の人達の生活習慣からいろいろなことがわかります。彼らから学んだ教訓は健康を意識するとしないとでは、中年以降になるとはっきりと差が出てくることがよくわかります。