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毎年、世界保健機関が発表する各国別の平均寿命ランキングを見ると、上位に入る国は大体一緒です。アジアでは日本、香港、シンガポール、韓国、西欧諸国ではスイス、オーストラリアなどが男女の平均寿命が82歳以上で常に上位に入っています。
逆に南米やアフリカの国々は平均寿命が低く100位以下だと70歳を切ります。
国よって平均寿命が違うのは単なる偶然だとは思えません。地域によって寿命がこんなに違ってくるのはそれなりの理由があるはずです。
世界各国から学ぶ健康法、長生きの秘訣
各国の生活習慣、環境、国民性、食生活、文化などの様々な要因が国民の健康に影響を及ぼしていることに、疑う余地はありません。科学的に説明できる理由もあれば、古くから伝えられる健康法で全く根拠がないものもあります。
いわゆる民間療法ですね。科学的根拠はないが、昔からの生活の知恵で言い伝えられてきた健康法、決してあなどってはいけません。
昔からそうやってきたわけですから、実際にその方法で病気が治ったきたのでしょう。治ったのだから、今日までその健康法が用いられ続けてきたはずです。もちろん中には、その健康法で病気の症状に直接作用して効くわけではなく、プラセボ効果のおかげだという場合もあるかもしれまん。
偏った知識で行う健康法ではなく、世界中にある様々な健康法を知った上で自分に合ったものを試してみてはどうでしょう?ひょっとしたら普段から実行している健康法よりも、自分の体に合った健康法が見つかるかもしれません。
参考までに、この一冊を読めば世界の長寿地域の健康の秘訣がわかります。沖縄も世界有数の長寿者が多い地域として扱われています。とても有名な本らしく、買って読んでみました。
読み応えがあるので、100歳まで生きたいと思っている人、読んで見る価値ありますよ。
ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ 健康と長寿のルール
平均寿命ではなく健康寿命を伸ばそう
私がこのサイトで言い続けている目標は「人生を太く、長く、楽しく生きる」こと。日本の平均寿命が世界一だからと言って喜んではいけません。80歳まで生きているからと言って健康だとも限りません。
70歳から病気にかかり、思うように動けない、食事も制限されている。ひどい時は寝たきり状態だったり、チューブにつながれた状態で呼吸して、延命措置を受けている状態かもしれません。実際にその状態でも、一生懸命に生きている患者さんもいるのであまり悪くは言いたくありませんが、できたら健康に年を取りたいものです。
「老年期の日常生活に介護・介助を必要としない、病気や通院、入院していない生存期間」、もしくは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことを健康寿命と呼びます。
平均寿命が高い方が低いより良いでしょうけど、1番大事なのは老後も健康で生活できる期間が長いことです。
各国の健康寿命ランキングを見てみると健康寿命は平均寿命よりも大体10才前後ぐらい低くなっています。つまり、健康に支障がある年数がそれだけ長いということ。日常的に支障がない軽い病気ならまだしも、重い病気にかかり10年近くも苦しむのはやはり避けたいです。
日本も含めた世界各地には老後も、元気に自立した生活ができるお年寄りがたくさんいます。彼らの生活スタイルを少しでも学び取って自分のものにし、健康寿命を伸ばす手がかりにしたいと思います。
食生活、ライフスタイルの違い
日本人が長生きする国民だというのは世界中ではよく知られていること。特に和食は健康に良いのは世界の常識となっています。世界中では、健康に気を遣っている人が和食を普段の食事に取り入れていることも珍しくありません。
しかし、ヨーロッパでは一般的に「和食といえばお寿司」だと思っている人が意外と多いことに驚きます。日本人が長生きするのは寿司を食べるからだと思っているのでしょうか?
肉を日常的に食べる西欧人よりは魚を使ったお寿司を食べる方が確かに健康に良いとは思います。しかし、そこだけがクローズアップされているため、日本の長生きの秘訣が本来はもっと違う所にあることに気づきません。少し調べればわかることなのに。
日本だけをとっても、日本特有の健康法があるはずなのに間違って認識されていることがります。世界各地にある様々な健康法をちゃんと調べて、良いところだけを自分の日常生活に取り入れられれば面白いだろうなと思っています。
今の時代、簡単に情報が手に入ります。世界各地の生活スタイルの違い、健康法も簡単に調べられます。中にはその健康法を実行するのに食材、道具、知識などが必要となるかもしれませんが、世界がもっと狭くなったこのご時世なら、それらものを手に入れるのはそれほど難しくありません。
世界各地の健康法と長生きの秘訣を地域ごとに探って見たいと思います。その中から、「これは良い!」と思える健康法が見つかれば実際に試してみませんか?
地域別
日本
世界の健康法の秘訣を探るのに、常に平均寿命ランキングでトップに入っている日本は絶対に外せません。男女の平均寿命は83歳以上。この平均寿命はおそらくこの先も伸び続けることでしょう。日本には他の国と比べて、いったいどこに特徴があるのか?
なぜこんなにも長生きするのか?
ヨーロッパに20年以上、その前は日本に10数年、東南アジアに5年程住んでいました。各国の文化、生活習慣の違いがどのように健康に影響しているのか、普段の生活の中で気づくことがたくさんあります。
日本に長く住んでいた間に学んだ日本ならではの健康の秘訣を、遠く離れたヨーロッパでも活用しています。
そんな日本の長生きの秘訣を日本全体の特徴から見ていき、その後で平均寿命がトップの長野県と昔から長寿で有名だった沖縄県の特徴を探ってみようと思います。
沖縄
沖縄は今でこそ日本国内の平均寿命のトップは長野県に、百歳を超えている人の割合も島根県に譲ってしまいましたが、長寿について語るのに絶対に外せません。いったい、どうして平均寿命が他の地域よりも低くなったのか?また、長寿の地位を譲ってしまったのか?
現在の統計だけを見れば日本一でなくなりましたが、それでも沖縄は千年近くもの間、長寿の地域として知られていました。
今、長生きしているお年寄りは、アメリカの食文化が入ってくる以前から、昔ながらの伝統的な生活スタイルを守ってきたからです。逆にアメリカの食文化に影響されている中年層に肥満が多く、生活習慣病が原因で平均寿命を下げているだろうと考えられます。
近年になってアメリカ文化の影響や戦後の経済成長の影響を受ける以前からある、沖縄の独特な食文化、生活スタイルなどを探ってみようと思います。きっと、健康で長生きできるヒントが見つかるはずです。
シンガポール
世界保健機関が発表する世界平均寿命のランキングによると、シンガポールはここ近年ではトップ3に入る健康大国となっています。シンガポールと言えば、金融で栄えた近代国家というイメージしか浮かばないので、ちょっと意外な気がしませんか?
シンガポールとマレーシアは隣り合わせで、気候も文化もそれほど変わらないはずなのに、どうしてシンガポールだけが平均寿命が伸びたのか?ちなみにマレーシアの男女の平均寿命は75歳で、かなりの差があります。
シンガポールは平均寿命のトップの日本と比べて、気候、食生活、環境も違います。同じアジア人とはいっても、シンガポールは国民の75%が華人。日本は当然ですが、ほとんどが日本人。
華人と日本人ではやはり食生活も考え方が違います。残りの25%はマレー系、インド系と西欧人。シンガポールは多文化、多人種なのに 、多文化の有無に関係なく国全体の平均寿命が高いのはどうしてか?文化の違いに影響を受けずに、国民全体が健康でいる要因がどこかにあるはずです。
コーカサス地域
世界の長寿を調べる上で常に登場してくる長寿村、コーカサス地方。旧ソ連南部、黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス山脈一体を指します。周りはロシア、アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージアなどの国がありますが、このコーカサス地方の中でも特に南に位置するジョージア(旧グルジア)が長寿の人が多いと言われていますが…
コーカサス地方には100歳以上の長寿が多いと言いますが、調査対象になっている人たちの年齢は自称年齢らしい。年齢詐称と疑われているため、長寿村として扱っていいはずがありません。
しかし、長寿村と騒がれていたわけですから、それなりに理由があっていいはずです。そんなコーカサス地方の長寿とされている人々の生活がどんなものか少し覗いてみましょう。
長生きの参考にはなるかと思います。
香港
日本の厚生労働省の調査によると、2015年の香港での平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.24歳と、男女ともに日本を抜いて世界一となったそうです。
正直言って、以外です。香港に行ってみればわかると思います。人口密度が高く、札幌市と同じぐらいの面積に700万人以上が住んでいるのですから、どれくらい密集していることか。
ゴミゴミしている印象があります。長寿村で有名なコーカサス地方のように、水も空気もおいしい地域なら長寿が多いもの納得しますが、香港だとピンと来ません。
では、環境では他の長寿村には負けますが、ここ香港ならではの健康法があるに違いありません。
アンデス山脈のビルカバンバ
コーカサス地方、パキスタン北部フンザと並んで世界3大長寿地域の一つとされている村に、エクアドルのビルカバンバという村があります。
ビルカバンバは長寿村とされていますが、実は調査対象者の自称年齢の曖昧さが指摘されていて、100歳以上の人が思ったほどいないようです。長寿の秘訣として、粗食という点では一致しているが気候に関しては共通していません。
いろいろな情報が飛び交っていて、今でもビルカバンバが長寿村と信じている人もいますが、根拠がなく、信ぴょう性がないと疑っている人たちも多いようです。
それでも、1950年代にビルカバンバが長寿の村とうわさになり、世界中から調査団が訪れて来たほどです。うわさになるぐらいですから、それなりの理由があっていいはず。
調査対象者が自称年齢を偽っているかもしれません。それでも、彼らの生活スタイルがどんなものか知るのも、世界の長寿の秘訣を知る上で少しは参考にはなるかと思います。
サルデーニャ島
長寿の秘訣を知るには世界中にいる健康で長寿な人々が多い地域を探し出し、彼らの生活スタイルを研究すれば1番手っ取り早いと思いますよね。
実際に、アメリカのナショナルジオグラフィック誌の記者・ダン・ビュイトナー氏という人が実行しています。その結果、健康・長寿者の割合が特に多かった4カ所の地域を特定。そのうちの1つがイタリアのサルデーニャ島です。
その島のある村では人口2500人のうち、7人も百歳を超えている人がいたそうです。7人という数字は少ないように見えますが、他国と比べれば実はとても多いと言うことがわかってもらえると思います。日本での100歳以上の人数は2500人に1人、アメリカでは5000人に1人の割合でしかありません。
正直言って、サルデーニャ島は長寿村としてはあまり耳にしない地域です。そんなサルデーニャ島のどこに長寿の秘訣が隠されているのかすごく興味がありませんか?
コスタリカ・ニコジャ半島
ニコジャ半島は、太平洋岸のニカラグア国境に近く、130キロほど細く伸びた半島です。地理的に見ると長寿の地域の1つであるイタリアのサルデーニャ島と同じく隔絶されています。その孤立した地域性が長寿にプラスに作用したと思われるかと思いますが、実は、そうでもないらしい。
では,ニコジャ半島が長寿の地域として選ばれた理由、他の長寿の地域と比べてどこに特徴があるのか?
食生活、生活習慣は、大まかに言えば他の長寿の地域とほぼ一緒。それ以外の特徴を見てみましょう。
世界の長寿者から学ぶ長生きの健康法、9つのルール
地域別に見てきた長寿者の人たちの健康法をまとめてみました。
この9つのルールには、長寿者の人たちが長年培ってきた知恵が詰まっています。わからないことがあったら経験豊富な人に聞くのが1番。100年近く生きてきた人たちから、長生きの秘訣を知るのが1番の近道です。
あとは、あなた自身の生活スタイルに合わせましょう。皆さんにとって、長生きするための1つの道しるべになれれば幸いです。