サルデーニャ島は長寿の島、特に男性が長生きしている、その秘訣とは?

長寿の秘訣を知るには世界中にいる健康で長生きするしている人々が多い地域を探し出し、彼らの生活スタイルを研究すれば1番手っ取り早いと思いますよね。

実際に、アメリカのナショナルジオグラフィック誌の記者・ダン・ビュイトナー氏という人が長寿者が多い地域を探しに世界各地を訪れています。その結果、健康・長寿者の割合が特に多かった4カ所の地域を特定。そのうちの1つがイタリアのサルデーニャ島です。

その島のある村では人口2500人のうち、7人も百歳を超えている人がいたそうです。7人という数字は少ないように見えますが、他国と比べれば実はとても多いと言うことがわかってもらえると思います。日本での100歳以上の人数は2500人に1人、アメリカでは5000人に1人の割合でしかありません。

つまり、サルデーニャ島は実に日本の7倍、アメリカの14倍も100歳以上の人がいることになります。ちなみに、日本のトップの島根県でも、2500人中で2人だけ。

日本のトップと比べてもサルデーニャ島のその村の三分の一にすぎません。

正直言って、サルデーニャ島が長寿村だと言われてもピンと来ません。そんなサルデーニャ島のどこに長寿の秘訣が隠されているのかすごく興味がありませんか?

その秘訣がそこの地域に特有なもので、他では得られないのなら意味がありません。世界中のどこにいても違う形で実行できる部分がきっとあるはずずです。何が得られるのか楽しみです。

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地域の特徴

サルデーニャ島はイタリア半島の西、約200キロメートルに位置し、面積は約2万4千平方キロメートル。人口165万人。気候は地中海性気候で、夏は暑く、冬は穏やか。

この島の標高が高い大部分は山岳地帯で、東側は山脈がそびえ、ところどころに広葉樹の森が見られます。たまに、ブドウ畑が見られますが、牧草地のようにだだっ広い感じではなく、むしろ荒野のイメージがあります。そんな岩だらけの傾斜地で、羊やヤギを育てているのですから、体力的に大変なのは想像がつきます。

ヒツジ飼いが毎日のように傾斜を歩けば、カロリーはたくさん消費されるはず。一日中歩いていれば余分な脂肪など付かないでしょうね。おまけに1日に何キロも歩くため、足腰の筋肉が鍛えられ、骨も強くなります

もちろん、羊飼いでなくても普段の生活で体を動かしているのでしょうけど。

例えば、村の中で友人の家やお店に買い物に行くだけでも、30分ほど自転車をこがないといけない場合があります。先進国に住んでいる私たちは、ちょっと外出するのに、車、バス、電車などの乗り物を利用するのが当たり前で、自分の足を使って移動する量が減っています。

年を取れば取るほど、筋力は落ちます。使わなければ、余計に使えないものになってしまいます。「use or loose」とよく言ったものです

食生活

サルデーニャ島の食生活における長寿の秘訣を、簡単にまとめると以下の3つに絞ることができます。内容はどれも決して新しいものでありません。いや、もしろ昔ながらの食生活を今でも続けていることが大事なのかもしれません。

植物性食品が主

長寿の村の食生活はどこも基本は同じで、植物性食品が多くたべられています。もちろん、サルデーニャ島も例外ではありません。特に豆、小麦の全粒粉を使ったパンやパスタ、家庭菜園で採った野菜、果物が多く食べられています

昔ながらの伝統的な食文化を食べているうちは良いかと思いますが、最近では少しずつずれてきています。パンも精製された小麦粉で作られているし、近年でファストフードなどが進出してきたため、肥満とは無縁だったこの地域にも肥満が増えてきました。

乳、チーズ

サルデーニャでは牛のミルクやチーズではなく、ヤギの乳製品を食べているという点も長生きの秘訣の1つだと言われています。ところで、なぜ、ヤギのミルクが牛のよりもいいのか?

同じミルクの量を比べてみると、ヤギのミルクの方がカルシウム、ビタミン、カリウムが牛のよりも豊富だからです。特に、サルデーニャ産のヤギのミルクに含まれているタンパク質と脂肪酸には、動脈硬化やアルツハイマーなどの老化現象を防ぐ効果があると言われています

ちなみに、私はミルクを飲むこと自体が健康に良くないとこのサイトでも書いていますが、それは特に市販のホモジナイズされたミルクの場合です。

ワインを飲む

この地域では特産のカンノナウ種ブドウは、サルデーニャに降り注ぐ強烈な太陽の紫外線を少しでも防ごうとして、赤い色素を余分に出します。

このブドウを醸造の際に昔からこの地域では多種のブドウと比べ、長い時間かけてします。その結果、でき上がったワインは動脈血管の内部を浄化するポリフェノールの効果が、他のワインよりも2,3倍強いと言われています。

生活スタイル、人生観

百歳以上の人たちの多くは、人生の大半を農家や羊飼いとして過ごしてきました。その生活パターンはその日の天気や季節によって変わってきますが、とてもシンプルです。

健康的な生活スタイルは本来はシンプルなのが1番。よく仕事をし(体を動かす)、よく食べ、よく笑って、よく寝る。サルデーニャの人びとの生活がまさにそうです。

家族を大事にする、年寄りが大事にされる

この地域は周囲を敵に囲まれ、孤立していた頃もあってか、周りの皆と助け合って生きる必要がありました。そのため、百歳以上の人の多くは家族が一番大切だと思っています。家族のために生きることで、周りから感謝され、尊敬される。家族を生きがいと感じることが、生きる活力となり、長生きへとつながるのでしょう。

自分たちが年をとると、今までずっと面倒を見てきた家族が、今度は面倒を見てくれます。それが、一昔前の家族の本来の姿であったはずです。ここサルデーニャでは、今でも守られています。

今の世の中、両親の面倒を見ようとせずに邪魔扱いする人が増えています。人とのつながりが長生きの秘訣だとよく言われますが、身近にいる家族ですら大事にしない人は長生きしないでしょう。

男性が長生きする

一般的に、寿命は女性の方が長いとされています。しかし、ここサルデーニャでは少し違うようです。2000年あたりの調べによると1万7千人のうち、百歳以上の男性は47人、女性は44人という統計が出ています。国際平均でいえば、サルデーニャ島の人口の割合からだと百歳以上の男性は10人になるはず。ところが、実際はその4.7倍。

いったい、サルデーニャ島の男性のどこに、長生きする秘訣があるのだろうか?

調査した人たちの中には、「この島の男女が担う役割の責任の重さに差があるのではないか」、あるいは「男性と女性の性格の違いが大きく影響しているのではないか」と考えている人もいます。

男性の特徴をいくつか上げてみました。

  • 男性は静かで親切
  • 人生の自然な流れに身を任せる
  • ジョークが好き
  • 意思が強い
  • 自尊心が高い
  • 女性の方が家庭を守るために男性よりも責任や重荷の肩代わりをしている。男性はその分のストレスを回避している。

人生をおおらかに、楽しく過ごすが上手に思えます。日常生活においてもストレスが少ないか、またはストレスに強い精神力を持っているといってもいいでしょう。一般的に男性の寿命が短いのは、男性の方が多く仕事をし、常に緊張状態にあるからなのでしょう。

サルデーニャ島の人びともよく仕事をしますが、仕事が好きでしているからです。疲れも肉体的な疲労であって、精神的な疲労ではありません。

私たちがしている仕事の内容も、環境も違います。長生きしている人たちの大半が、歳をとっても畑仕事などを続けています。楽しく仕事をすること、体を動かすこと。男性が現役時代に注意するべき点はこの2つですね。

ユーモア

この島の人たちと話をすると、彼らの自虐的なユーモアに身を引くかもしれません。外部から来た人たちにとってはトゲがあり過ぎるように思うでしょう。しかし、言いたいことを言わずに我慢してストレスを感じ、いつかたまったものが爆発するよりも、普段から言いたいことを言った方が争いごとを未然に防ぐことになるので良いかと思います。

そういう意味では、他人にとっては少しキツイユーモアでも、彼らにとってはストレスを発散させる手段の1つでもあるわけです。

この島の人たちはよく町かどで友人が集まり、談笑を楽しむ風景を見かけます。笑うことは免疫力を上げる効果があるのはご存じの通り。ユーモアのあるジョークで病気なんかふっ飛ばしているのでしょう。

まとめ

いかがでしたか?この島の人たちは昔ながらの文化を大事にしていることがわかったかと思います。サルデーニャ島に限りませんが、どこの国も長生きする人びとの共通点は、食生活がシンプルで、昔ながらの伝統的な食が中心、家族、友人を大切にし、人生を楽しく過ごしているところです。

私たちにも真似できる点はいくつかあります。

特に健康的な食生活は万国共通ですね。

  • 植物性食品が中心
  • 未精製の穀物。ここでは全粒粉で作ったパン
  • ヤギの乳製品
  • 赤ワインを飲む。ワインでなくても、豊富な野菜、果物を皮ごとたくさん食べれば、フィトケミカルを取り入れることができる。

生き方で学べる点は

別に難しいことは何一つないですよね。問題は実行できるかどうかですが。大都市に住めば、いやでも忙しく、ストレスな日々を過ごすことが多いと思います。それでも、意識して実行する努力をしないと、無意識のうちに肉体も精神もストレスと疲労にやられてしまいます。

もし、あなたが心の病で「うつ病」になっているか、または精神的につらいと感じていて「うつ病」になりそうなら、そちらのプロのアドバイスを受けてみては?

ストレス、心の病をあなどってはいけません。私自身が何よりも、心の病気に一番注意しています。体の健康を考える前に、心のケアに集中してください。

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