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結婚当初はケンカも少なく仲良くしていますが、時が経つと今まで見えてこなかった部分や遠慮していた事も遠慮しなくなり、言いたいことを言い、したいことをするようになります。それに対し不満を抱き始め、少しの不満が積もりに積もっていつかは怒りとして爆発するか、愛想を尽かすことに。
男と女はそもそも違う生き物。なのに同じ屋根で暮らしている。簡単にわかり合えるわけがありません。それでも毎日、顔を合わせます。気に食わないことも日常茶飯事に起こります。それにいちいち怒っていたら離婚は時間の問題でしょう。
西欧では2組に1組は離婚します。愛を誓ったカップルがいとも簡単に離婚。相性が悪かったといえばそれまでですけど。中には離婚、再婚を何度も繰り返す人もいます。その一方で、ケンカもあまりしない仲の良い夫婦がいるのも確かです(全くケンカしない夫婦はいないでしょうけど)。
小さなケンカを大きなケンカに発展させないためにも、怒りを上手にコントロールする必要があります。「売り言葉に買い言葉」みたいにならないようするためにも、夫婦がそれぞれの立場から、どのように怒りの感情をコントロールすればいいのかを考えましょう。
夫婦ゲンカは実は健康にいい?
健康への影響
夫婦ゲンカが健康に及ぼす影響はどれくらいのものか?
イメージとしては、ケンカをすれば頭に血が上り、心臓の鼓動が速くなるので血圧が上がっている気がしませんか?
心臓にも負担をかけていると想像するのは難しくありませんよね。怒り、憎しみなどの負のエネルギーが発生するので、どう考えても健康にいいわけないと思うでしょう。
しかし、アメリカで夫婦ゲンカに関した研究があり、その結果によると夫婦ゲンカが100%悪ではないと言っています。怒りを抑え、夫婦ゲンカをしない夫婦の方が適度に怒りをぶつけている夫婦よりも、死亡率が2倍高かったという結果が出たそうです。
かといって夫婦ゲンカをした方がいいとは言っていません。それから、なぜ夫婦ゲンカをしない夫婦の方が死亡率が高いのか?少し矛盾しているような気がしますよね。その理由を見てみましょう。
夫婦ゲンカをあまりしない場合
そもそも、夫婦ゲンカをしないカップルって存在するのか?
私は未だかつて、全く夫婦ゲンカをしないカップルに会ったことがありません。
周りから「あそこの夫婦はケンカするところを見たことがない」と言われる夫婦がいたら、そのような夫婦の方がむしろ心配すべきでしょう。
なぜか?
赤の他人が結婚して同じ屋根の下で暮らしているのだから、お互いに気に食わない部分があって当たり前です。なのに、ケンカしないということはそれそれが相手に対する不満、怒りを感情に全く出さずに抑えているということになります。
その不満、怒りを外に出さずに自分の中に閉じ込めて我慢しているとストレスとなり、自分を苦しめる事になります。その結果、心臓病や高血圧などのストレス性の病気にかかりやすくなると言われています。
夫婦ゲンカを頻繁にしている場合
夫婦ゲンカに限りませんが、ケンカをする場合は怒りが発生し、体内でアドレナリンが分泌しています。すると、心拍数や血圧が上昇し、高血圧を引き起こします。もっとひどくなると血糖値があがり、糖尿病のリスクも高くなります。
さらに、夫婦ゲンカが原因でストレスを抱え、熟睡できなくなり睡眠不足で免疫力の低下にもつながります。
夫婦ゲンカが頻繁に起こるわけでもなく、ちょっと言い合いをする程度ならかまいません。もし、夫婦ゲンカが頻繁で、怒鳴り合うほどの大ゲンカになればこれらの症状がよりひどく出てくる可能性が高くなります。夫婦ゲンカを慢性的にしている場合は、健康への悪影響が出てくる恐れがあるのでご注意あれ。
夫婦ゲンカを時々する場合
夫婦ゲンカをし過ぎると健康に悪影響。しかし、全くしないのも、逆に悪い。では、その中間の夫婦ゲンカを時々しているカップルの場合はどうでしょう?
米ノースウェスタン大学と米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが夫婦ゲンカの健康への影響について研究しました。その結果、感情を出しすぎたり、逆に感情を抑えしすぎる夫婦は健康へのリスクが高まると言っています。
健康への影響を考えるのなら、お互いへのイライラ、怒りは適度にぶつけ、適度に抑制することをオススメしています。しかし、「適度に怒れ」と言われても怒りの感情を自由自在にコントロールできるのかどうかという疑問が出てきます。
怒りの感情の度合いはその原因に左右されるため、その原因を最小限に抑えればいいわけですよね。
ここで、ケンカを避けるために夫婦の間でルールを決めましょう。一時はやった「取説」を夫婦の間でお互いに作って渡すというのも面白いかもしれませんね。
男性が注意するべきルール
男性陣の皆さん、日常生活で本当に大した事もない、些細なことがきっかけで妻を怒らせたことはありますよね?
自分は、普段通りに接しているつもりでも、ちょっとした言動、行動が知らないうちに妻の逆鱗に触れたかもしれませんよ。正直、自分でも何が原因で妻を怒らせたのかわからない時もあります。と言うか、むしろわからない方が多いと言ってもいいかもしれません。
何か言ってはいけないことを口に出してしまったのか?
気に食わない態度を取ってしまったのか?
どうしたら良いのか、いくつか注意するべき点を見てみましょう。
夫が言ってはいけない言葉
男は論理的に話す傾向にありますが、女性は感情的になって話す傾向があります。男は悪気がなくても、言った言葉がついつい相手の女性を傷つけていることもあります。では、男は具体的にどんな言動に注意しなければいけないのか?
- 仕事をしていない妻は専業主婦、家事をちゃんとするのが当たり前だと決めつけて話す
- 家事全般に対する不満を言う
- 作ってもらった食事に対して不満を言う
- 仕事をして稼いできている自分のおかげで、生活が成り立っているという態度でいる
- 仕事をして帰ってきた自分が1番疲れているかのような話し方
- 友人や身近にいる他人の妻と比べながら話す
- 家事、食事など何かと、自分の母親と比べる
- 子供の教育、しつけは妻の責任だと決めつける
- 自分は仕事を通して世の中に精通している。逆に仕事をしていない妻は世の中に関して無頓着で、何も知らないと決めつける
- 全ては仕事が最優先。家庭は二の次だと決めつけて話す
こうしてみると男性が上から目線で妻を見ていることに気が付きますよね。家事、育児も立派な仕事だということを男性は認めてあげるべきです。
毎日の家事に、食事の準備、子供のしつけ、育児を同時にこなしているのは大変なことです。おまけに子供の反抗期に1番接しているのも女性です。
女性はこれらの家庭の仕事に対してプライドを持っています。家庭が成り立っているのは妻の努力のおかげだと認めてあげましょう。妻を尊重し、感謝の気持ちを持ち、それを口に出す。そうすれば、これらの言動は出てこなくなるはずです。
夫がとってはいけない態度、行動
夫のちょっとした言動で妻を怒らせてしまい、夫婦ゲンカ勃発。さて、この時点で妻の怒りの炎はそれほど大きくはありません。しかし、この後の夫の取る態度でその炎に油を注ぐことになるかもしれません。
どの点に注意すべきか?
- 妻の言うことにいちいち反論しない
論理的に話す男性とは違って、女性は感情で話します。女性の言い分に対して反論したり、解決策を説いても、全く関係ない所から違う話題を持ち出してくるため、話がズレていきます。反論することで妻を言い負かそうとしても、逆に長引くことになりかねません。
だったら、夫婦ゲンカをさっさと終わらせたいのなら、相槌を打ちながら妻の話を聞いてあげればいいでしょう。
- 揚げ足を取らない
論理的に物事を分析する傾向にある男性陣は、夫婦ゲンカする際も同じ。妻が何かつじつまが合わない発言でもすると、そこの部分を指摘します。感情的になっている妻はそんな夫の指摘を逆に攻撃されたと取るでしょう。
さらに逆ギレし、指摘したこと自体を非難し始めます。意地悪な夫とレッテルを貼られることに。そうなると、何を言っても無駄。ただ、妻の怒りが収まるまで待つのみ。
- 何でもかんでもすぐに謝らない
夫婦ゲンカを速く終わらせたいがために、一部の夫はすぐに謝りたがる人がいます。そうすることで妻の怒りが収まるとでも思っているのでしょう。しかし、実際のところはどうなのだろうか?
ケンカの最中に謝るのは、あまりにも安易すぎて、真心がこもっていない感じがします。ただ単にその場を取りつくろうとしているだけに思われます。
そんな表面的に謝っても逆効果。どうせなら、黙って相手の怒りが消えるのを待つしかありません。
- 話を受け流さない
偉そうに言えませんが、私も妻の話を半分くらいしか聞いていません。話を聞いているふりをして、相槌を打っています。しかし、話の途中で話題を振られ、話を聞いていないことがバレていつも大変な思いをしています。
脱線をよくする女性特有の話し方で話される内容を理解するには、大分集中しないといけません。しかし、内容を理解するのは大変なこと。だから、知らず知らずのうちに適当に返事をし始めます。
- 時間を気にしてはいけない
女性の話は脱線することが当たり前だし、なかなか終わりません。反論せずに話を聞いてあげているつもりでも、終わりが見えてこないために、時間が気になり始めます。そして、ついつい時間をちらりと見ようものならさあ大変!
妻の話を聞いていないと思われ、さらに怒りを増長させます。そうなったら、怒りが鎮まるまでとにかく待つこと。納得いくまで腰を据えて話を聞いてあげましょう。「急がば回れ」です。時間がかかるようで実は1番の近道。短気は損気。気長に待ちましょう。
女性が注意するべきルール
論理的に話す男性に対して、女性は感情的に話すことは言いましたね。男性は自分の仕事や考え方に対してプライドを持っています。
女性は怒りに任せてヒステリックになり、夫が気にしている部分を否定していませんか?
怒りの感情がうまくコントロールできず、大したことないと思っていても、ちょっとした発言が夫の自尊心を深く傷つけているかもしれません。
妻が言ってはいけない言葉
普段なら言わないはずが、夫婦ゲンカになった時に口に出してしまう言葉の中から、女性が注意するべき言動を見てみましょう
- 収入の面に対する不満
- 外見に対する不満
- 友人の夫と比べる
- 何かと「どうして?なぜ?」と質問攻めする
- 過去の出来事を持ち出す。ネチネチと昔の話を蒸し返す
- 夫側の家族を否定する
- 「この結婚は失敗だったと」ほのめかす
- 「男でしょう、そんなこともできないの!」など、夫はダメ男だと決めつける
- 子供の前で夫の悪口を言う
- 最終的に「もう、おしまいね」と別れ話を持ち出す
男性は家庭内では威厳というものを持っていたいものです。それを否定するような言葉を言ったら、男としてのプライドが傷つきます。ましてや、人前ではなおさらしてはいけません。
妻がとってはいけない態度、行動
- ヒステリックになってはいけない
女性は怒ると理性を失い、感情に任せてすぐに怒鳴り散らすことがあります。次に、論理的に話す男性に勝てないことがわかると、冷静さを失いヒステリックに。
そうなると出てくる言葉は最初の論点からズレてきます。とにかく、夫を否定する言葉、普段から抱いている不満を吐き出します。火山爆発で溶岩が飛び出るような状態でしょうか。
夫からはあきられ、冷めた目で見られます。
- コンプレックスやトラウマには触れない
男は家庭内では自分は大黒柱だと思い、それに対してプライドがあります。妻の前、子どもたちの前では威厳を持っていたいものです。
そんなところに、夫が持っているコンプレックスを指摘、突っつくと男性は深く傷つきます。自分が気にしていることを無神経にも小バカにしたらダメ。男性はそんな妻を思いやりのない人だとみなします。妻に対する愛情は吹っ飛んでしまう恐れがあるのでご注意を。
- すぐに泣かない
女性は口論で言い負かされ、八方塞がりの状態になると最終手段として泣くことがあります。最初のうちは夫もそんな妻に対して同情し、謝るかもしれません。しかし、頻繁に続くと夫にしてみればずるい手口だと冷ややかに見られてしまいます。次から相手にされないかもしれません。
- 夫が口論にうんざりして、その場を立ち去りたかったらしつこく追い回さない
感情に任せて言い合っているなか、収集がつかない場合があります。男性はお互いの怒りが収まるまでの間、その場を立ち去ろうとすることもあります。そんな時、女性は拒絶されたと思い込みしつこく追い回して口論を続けようとします。
そして、夫に「なんで逃げるの!なんで!」と質問攻め。夫の方も限界に達しているはずです。夫にしてみればその場を離れるのは、お互いの感情がエスカレートし論理破綻しないための策。なので、そこは追うのではなく、そおっとしておく方が懸命でしょう。
お互いに怒らせないためにすること
私が二十代前半で結婚した時に、結婚生活20歳以上上の人生の大先輩たちにアドバイスをもらいました。そのうちのいつくかは、20年以上たった今でもよく覚えています。
- 自分の方が相手のために多くしてあげていると思うぐらいがちょうどいい
夫婦と言っても元は赤の他人。生活習慣の違いがあります。結婚生活が始まった最初の方はまだ情熱があり、相手のために尽くしてあげようと思っています。
しかし、徐々にどちらもが「自分の方が多く家庭のために時間と労力を費やしている」と思い始めます。それは、相手が自分のため、家族のためにしていることを全部は知らないからです。まるで、自分ひとりだけが犠牲になっていると思い込んでしまう。
では、相手にそう思わせないようにするためにはどうすればいいのか?
自分の方が多く相手のためにしていると思うくらい奉仕してあげましょう。それぐらいしないと相手はいつまでたっても「自分の方が多く相手のためにして、ズルイ!いつも、自分が譲っている!」とずっと思い続けます。
- 話を聞く
夫婦ゲンカを防ぐにはお互いの信頼関係をつくるのが一番効果的。その方法として夫婦間のコミュニケーションが大事。普段から夫婦でお茶をしながらでも、二人一緒に過ごせる時間を見つけて会話をしましょう。
他愛のない内容の会話でも、会話を通じてお互いの考え方を理解できるようになります。
問題はここでも自分はいつも相手の話を聞いてあげていると思うものです。それでも、相手が話をしたければ、自分は聞く方に回りましょう。ここでも、相手に話す機会を譲ってあげることが大事。
- 相手の欲求を満たしてあげる
何をするにも夫婦単位、家族単位で考えなければいけないことが増えてきます。それでも人は自分の欲求を満たしたいので、自己中になります。
ここでも、自分の要求を主張せずに、相手に譲りましょう。相手の意見を優先してあげましょう。
相手に一歩譲って、したいことをさせてあげた方が夫婦間の摩擦は減ります。
- 結婚生活を長続きさせたいのなら、なるべく一緒にいる時間を短くする
冗談のようなアドバイスに聞こえますよね。当時は本当に冗談だと思い、軽く聞き流していました。しかし、結婚生活が長くなるとその意味が少しずつ分かってきました。
四六時中ずっと一緒にいれば、いざこざは増え、小さなイライラがたまっていきます。そのイライラが時間とともに消滅していく前にあふれ出て、いずれは爆発。
そうならないためにも、自分が1人になれる時間を持つと良いでしょう。その方が一緒にいられる時間がとても新鮮に感じます。たまっていたイライラも時間が経てば減るか、消えているでしょう。
- 正しき仲にも礼儀あり
特に日本人男性に言えることだと思いますが、妻に感謝の気持ちを伝えていますか?
例えば、男性にしてみれば、自分が稼いできているので専業主婦の妻が食事、家事をするのが当たり前だと思っているのでは?
そんな気持ちでいると態度にも現れます。妻は「自分は家政婦ではない!」と怒るでしょう。
日常生活のいろいろ場面で相手に何かしてもらったら、簡単でいいので「ありがとう!」の一言ぐらいは言いたいものです。感謝の一言は夫婦の間における潤滑油。「口に出さなくても分かってくれるだろう」などという昭和時代の発想はやめよう。
まとめ
怒りは健康に悪影響を及ぼすと言いました。怒りを上手にコントロールできれば、それだけストレスを抱えなくて済みます。
怒りは人間関係のもつれで発生する事が多いとも言いました。その中でも夫婦の間で発生するもめ事は特に重大です。
結婚と子供の出産は人生の中で最も大事な出来事。そのうちの1つの結婚生活がうまくいかないと、その後の人生に大きく影響してきます。夫婦円満なカップルと仮面夫婦、あるいは破綻寸前のカップルを比べるとどちらが幸せかは言うまでもありません。
親子は血がつながっているので、どんなことがあっても縁は切れません。しかし、自分の子に対して持つ感情と結婚した相手に持つ感情は違います。夫婦と言っても元は赤の他人。
上手に怒りをコントロールすることで、夫婦の関係を良好に保ち、幸せな結婚生活を円満に送れるようにしましょう。