育児中のお母さん、お父さん、毎日のように子供にイラッとしたり、カーッとなって怒りの感情をぶつけたりしていませんか?
正直に言います。ハイ、私はしています。いつも子供に怒こっている自分が嫌になります。子供の寝顔を見ては「今日も怒鳴ってしまったと後悔し、明日からは優しくしなければ」と誓うのですが、またイラッとして怒鳴ってしまいます。
あなたも見覚えありませんか?
子供の教育と称して怒っていますが、本当なのでしょうか?本当に子供の教育のためなら、もっと違った怒り方があるのでは?むしろ怒るのではなく、叱ると言った方がいいのでは?
なんでも言うことを聞く天使のような子供はいません。成人するまでの20年間は怒る場面は日常茶飯事です。
しかし、むやみに怒るのではなく、上手に叱ることが一人前の人として育てるコツ。怒っているだけの親だと子供から嫌われ、何のために産んだのかわかりません。幸せな家庭をつくるため、年を取ってからも子供、孫と楽しい老後を過ごすために子供が欲しいと思ったはずです。
子供を頭ごなしに怒るのではなく、上手に叱る。子供もそこに親の愛情を感じ、将来的に親に感謝の気持ちを抱くようになります。怒りをコントロールできれば育児中にだけではなく、老後にもよい影響を及ぼしてくれると信じています。
怒る前に知っておくべきこと
子供は親の所有物ではない
「子供は親の物ではない!」と言われたらどうですか?
自分もそうですが、心あたりありませんか?
子供を産んだのは自分だということもあって、自分の所有物だと思って接していませんか?
同僚間、友人間で何か嫌なことを言われたり、されたりすると頭ごなしに怒りますか?
何かを要求する時に命令口調で頼みますか?
しませんよね。
なのに、自分の子供に対しては自分の子供だから何を言ってもいい。言うことを聞かせるのが当たり前だと思いこんでいませんか?
親が子供を怒る時も一緒で一方的です。結局は一種のパワハラのような気がします。親は子をしつける義務があるが、怒るのと叱ることを履き間違えてはいけません。子供は親の物ではなありません。支配せずに個として尊重しましょう。この事を親が意識していないと子供との全てのやりとりで態度に出てきます。子供は親のそのような態度をよく見ています。
叱ると怒るは違う
町中で母親が子供に鬼の血相で怒っているのを時々見かけます。子供がかわいそうに思えてなりません。子供が何か悪さをしでかしたら怒るのが当たり前だと思っていませんか?
いやいや、その母親は子供のために叱っていると思いっているはずですが、実際はただ単に感情に任せて言いたいことを口に出しているだけです。あれは「しつけ」なのではなく、「怒り」を子供にぶつけているだけです。子供が親の怒りのはけ口になっている気がします。
子供が幼ければ幼いほど子供には怒るのはマイナスでしかありません。むやみに感情のまま怒るのではなく、冷静になり子供に言い聞かせるのです。親の価値観、生き方を子供に伝えるのです。もちろん、道路に飛び出るなど危険な行為に対しては説明してもすぐには理解できないので、怒ってもいいかと思いますが。
していいこと、絶対にしてはいけないことなどを交えて親の考えを聞かせましょう。親が子供と真剣に向き合い、親の信念を言い聞かせることで子供は親のその真剣さを感じるはずです。
「怒る」ことと「叱る」ことは全く違うということを覚えておいてください。
怒りを上手にコントロールする方法4つ
3つ数える、または深呼吸をする
「売り言葉に買い言葉という」という言葉あるように、相手の暴言が気に食わないためにすぐに「かぁ~!」となりすぐに言い返す。言われたら言い返す。条件反射みたいなものですよね。こうなるとお互いに怒りが爆発しケンカへと発展します。
このような時は簡単なことではないが、何か言われたらとりあえず深呼吸してみよう。よく3つ数えようと言われますが、私自身は深呼吸をした方が効果があると思っています。
深呼吸をすることで心も体も落ち着きます。そうしているうちに数秒が過ぎていきます。同時に、子供の言ったことを頭の中で処理できます。どうして怒っているのかを考える時間ができ、どのように対応すればいいのかも対策を取ることができます。
距離を置く
これは私自身がよく使う手です。特に妻とケンカして怒りが収まらない時は、続けてもヒートアップするだけなのでその場をひとまず退散します。
距離を置けば違うことに取り組みますよね、その間に思考は違うことに向かっています。心も落ち着き、冷静になれます。そうなれば、先ほど怒っていたことも大したことないと気づき、怒りが収まっていることでしょう。
もっとも、日本人は西欧人に比べて少しネチネチしているところがあるので、怒りはすぐには消えずに覚えていることもあります。それでも、怒りをお互いにぶつけ合うよりはましでしょう。
子供が親に叱られて家出をするのも、案外間違っていないかもしれませんね。お互いに頭を冷やして、冷静になれば反省すべきことも見えてくるはずです。
自分に置き換えて、理由を考えてみえる
怒りそうになった時にまずは深呼吸をすることをオススメしましたね。でも、深呼吸をして怒りが少し収まったとはいっても、怒りの原因が消えたわけではありません。
子供が散らしっぱなしにしている。物を片付けない。学校にいつも遅刻する。親としては子供の遅い行動に対してヤキモキしますよね。「どうして片付けないの?」、「早くしなさい!」という言葉が怒りの感情がこもっていなくても、やはりトゲがあります。
その怒りの原因を取り除かない限りは、その後の子供に対する接し方も問い詰めるような口調で話す事になります。
では、どうすればいいのか?
それは、そもそも子供がいけないのだと親が勝手に決めつけているからです。そういう先入観があるから子供に対して発する言葉も問い詰める感じで話すのです。
そうではなく、子供がどうして言うことを聞かないのか疑問に持つこと。子供に「何か理由があるの?」と聞いてみましょう。深呼吸をすることで少し冷静になり、さらに子供に命令口調でなく、優しく質問することで怒るタイミングがずれます。
そうすれば、親は子供に対して怒鳴ることもなくなるはずです。子供の返事を待っている間にいつの間にか怒りは収まっていることは間違いないでしょう。
絶対に怒らないと決める
子供にイライラしない、怒らない日はないと言っても過言ではありません。まだまだ修行が足りませんね。だったら、自分で怒らない日をつくってはどうかなと思います。白黒つけて、「今日は何があっても怒らない」と決める。中途半端にするのではなく、怒鳴ったら今日は負けだと思いましょう。
常々に思うのですが、イライラせず、怒らなければどれだけ穏やかな1日を過ごせるのかと思います。
実際に子供に怒らないと何が起こるのか?
子供は怒られないので、表情が明るくなり、笑顔が戻ってくるかもしれません。否定的な言葉も言われなくなり、自信を取り戻すかもしれません。もっとも1日ぐらいではそこまで効果を期待してはいけませんが。
親は怒らなければ1日中、平常心を保つことができるでしょう。親子の間にギクシャクした関係がなくなるので会話も増えるでしょう。
これは一般論で話しましたが、各家庭で何が起こるかは違ってくるはずです。騙されたと思って怒らない日を作ってみてください。きっと何かしら、変化が起こることでしょう。
怒るのではなく、しつける
いきなり怒鳴るのではなく、まずは何があったかその理由を聞こう
「子供は親の私物ではない」と言いましたね。そのことを知った上で子供と接すれば、何かをしでかしたり、言うことを聞かない場合があった時でも、反射的に怒鳴ることは無くなるはずです。
友達や他人と接するのと同じ感覚で、一体何がいけないのかを状況を把握する習慣をつけること。
理由を自分で想像して考えてもいいですが、一番手っ取り早いのは子供に聞くことでしょう。「どうしてこんなことしたの?」、「どうして約束を守れなかったの?」、「どうして意地悪したの?」などです。
理由がはっきりわかれば、実は怒るに値しない内容だと気づくこともあります。状況さえ把握できれば対処方法も思いつきます。少なくとも勘違いで怒ることは避けられるし、感情的に怒ることもなくなるはずです。
起きた事実を伝え、与える影響を説明する
怒る前に子供に理由を聞いて、子供が自分の言い分を話してくれたとします。親が次にすることはいったんその言い分を認めてあげる、あるいは同情するのもいいでしょう。
「たしかに大変だったね」、「わざとじゃないものね」などと言えば、親が怒っていないという姿勢を見せれば、子供は少し落ち着きます。子供もこれから親が言う話も聞いてくれるでしょう。親が子供に今回の起きたことを説明するのはそれからです。
では、親は何を説明すればいいのか?まずは起きた事実を淡々と述べる。
「〇〇ちゃんは△△という理由で□□をしてしまったのね」のように。事実を確認する。それから、このことが起きたために次にどんな影響を及ぼすのか?
「友達に意地悪したら相手は悲しむでしょう」、「片付けなかったら次に使う人が嫌がるでしょう、逆にキレイに片付けてれば友達も喜ぶよね」などです。
与える悪い影響だけではなく、直すことで周りにいい影響を与えること、皆が喜ぶことや、自分にとっても得があることも伝えるとなおいいでしょう。
子供にどうすればいいのかを聞いて、考えさせる
親が叱ってやめさせるか、説明して誘導し、いかにも子供が自発的に直そうとしたと思わせるのもいいかもしれませんよね。
あるいは子供の自主性を育てるのにももってこいの方法として、本人にどうすればいいのかを聞くものいいでしょう。もちろん年齢がまだ幼い場合や状況が少し複雑な場合は、親の手助けを必要とするはずですので「自分の頭で考えなさい!」などと丸投げするのはやめましょう。
家庭内は社会の縮図だと思って、小さい頃から自分の頭で考える力を養って上げる必要があります。親が初めから「ああしろ、こうしろ」などと段取りを組んであげたり、やるべきことを考えてあげたりすると、子供が1人になった時に人に言われないとどうしていいのかわからなくなります。
子供が考え出したことをたとえ間違っていたとしても、否定はせずに他にも違う考え方があるかもと質問をまた投げてみる。一緒に考えながら答えを見つける。同じようにまるで子供自信がその答えを導いたかのようにすれば、子供が自分で決めたことだと思い込みます。自分で決めたことは親から押し付けられたわけではないので、断然やる気が違います。
大人も同じですよね、自分で自発的に決めたことの方が、人に言われるよりも責任を持ってやります。
最後は優しく、親の愛情を伝える
子供と話し合いをして直すべきところ、子供が注意すべき点を一緒に見つけました。今度は子供を励ましてあげましょう。心から子供のことを応援しましよう。親の中ではまだ怒りの炎があるかもしれませんが、うまく演技するのです。
「きっとできるよ!」、「失敗してもまた次頑張ればいいよ!」など、最後に優しく声をかけてあげることです。子供は叱られても親の愛情を感じるはずです。何があっても親は自分の味方だと思います。
このように行動すれば、怒りたくなる場面が起きても逆に乗り越えることで、親子間の絆が強くなりお互いの信頼が深まることは間違いないでしょう。
絶対にしてはいけないこと
感情的になってはいけない、冷静に
「感情的になってはいけない」ことは子供に対してだけではなく、どの場面においてでも同じことが言えますし、もうすでに何度も言っています。親がすべきことは子供に怒るのではなく、叱る事です。
親の威厳は保つ必要はあると思いますが、親は子供に対して怖い存在であってはいけない。子供が親を恐れるようになれば、何かあっても親に怒られると思い何も言わなくなります。こっそり親のいないところでコソコソするようになるでしょう。
子供が何かを言えば、親はヒステリックに反応する。大声で怒鳴る。ひどくなると衝動で平手打ちすることもあるでしょう。
そうならないためにも「怒りを上手にコントロールする方法」で述べたように、深呼吸をするなどして怒りを鎮めることが肝心です。
子供を否定してはいけない
子供を叱る時によく見る光景ですが、親が子供を否定することです。問題は否定する内容が起きた出来事そのものならまだいいのです。
例えば、「テレビを見ている途中に騒ぐと聞こえない」、「使った後は自分で片付けしないといけないよね」とかです。これらの文章にはその子の人格や存在に対する否定的な部分はありません。子供がした行動や言動に対してだけフォーカスすればいいのです。
親が子供に否定的な発言をする時、子供の存在が邪魔だとか、価値がないとか、能力がない、性格について悪く言うなどその子の人間性を否定することは避けるべきです。そこにはどこにも愛情が見えません。よく「お前たちのために言っているんだ!」という言葉を聞きますが、はたしてそうでしょうか?
親がそのような言葉を投げつける時は、ただ単純に怒りのはけ口になっているだけです。
子供でなくても大人でもそのような言葉で暴力をふられたら、自分に対して自信をなくします。大げさに言えば、自分の存在価値を見いだせなくなるかもしれません。
子供ならなおさらそうでしょう。親に否定されてしまったら、子供はいったい誰を信じ、頼ればいいのか?
子供を叱ることはよしとしても、親にとっては自分の子供は大事な存在なのだという事と親の愛情を知ってもらうためにも、絶対に心に大きく、深く傷つくようなことを言うのはやめましょう。
人前ではしからない!
町中でお母さんが子供に怒鳴っているところを時々見かけます。みっともないと思いつつも、よく見かける光景だし、自分自身も子供の頃に人前で親に叱られていた記憶もあるため、それほど気にかけていませんでした。しかし、あの頃を思い出してみると、恥ずかしい気持ちはあったと思います。プライドを傷つけられた気もします。
子供にも自尊心はあります。他に誰もいない家で叱られるのと、大勢の人達がいる前で叱られるのでは受けとめ方も違ってきます。ましてや友達の前で、兄弟の前で、親しい関係にある人達の前で叱られたら余計に傷つきます。
特に兄弟間では「お兄ちゃんはできたのに、あなたはどうしてできないの?」などと比べられると子供は劣等感を感じ、自分はダメな子だと思うようになるかもしれません。
それがその兄弟の前だとなおさらです。兄弟関係に何かしらの変化が現れ、ギクシャクした関係ができあがります。そこから、嫉妬心、妬みなどが生まれます。親にしても、兄弟ケンカをしてほしくないはず。なら、兄弟の前はもちろん、人前で叱るのはやめましょう。
体罰はできれば避ける!
子供に腹を立てるのは日常茶飯事ですし、叱るのは親の努めです。腹が立つあまり、子供に手をあげることもあると思います。しかし、教育と称しては子供に当たり前のように体罰を与えるのはどうかと思います。
世の中には体罰を子供の頃に受けたせいで、大人になってからトラウマになっている人もいます。体罰はいけないことだと誰でもわかっているはずです。
しかし、親は仏様ではありません。常に平常心で子供と接することができるとは思えません。子供に言い聞かせようとするが、それを子供が理解できない場合もあるはずです。緊急を要する場合などは手を上げてもいいのではと思ってしまいます。
では、他にどのような時に手をあげていいのか?
各家庭ではその基準は違うと思いますが、我が家では危険を犯した場合、誰かを悪意でおとしめようとした場合などです。たまに子供の生意気な口の利き方に頭に血が上り、手が出そうな時もあります。しかし、思いとどまります。
体罰は親が単純に怒りの感情にまかせて子供にぶつけているだけです。どこにも子供への愛情が感じられません。力のある大人が体の弱い子供に対する暴力の何ものでもありません。
子供はサーカスの動物ではありません。ムチをもって教育しようと思わないことです。子供がおびえるようになるか、親を憎み、軽蔑し、親が困るようなことをするようになるでしょう。
では体罰をするにも状況次第ですが、どのように体罰を与えるのか?
- 跡が残らないこと
- お尻や、右利きの子なら左手を叩くなど、その後の生活に支障をきたさない部分であること
- ダラダラと体罰を与えるのではなく、ビシっと軽く叩く程度
- 叩く前に説明すること。叩かれても仕方がないことをきちんと説明し、納得させること
- 叩くにしても、怒りにまかせるのではなく、愛情を込めて叩く
- そして、頻繁に繰り返さない!
もちろん体罰は最終手段だと思ってください。できれば子供との信頼関係をつくるためにも体罰は避けた方がいいとは思います。
まとめ
子供は親の思う通りにはなかなか育ちません。そのため、頻繁にイライラしたり、怒ったりします。子供と衝突することで本来はくつろげるはずの家庭がギクシャクしたものになります。毎日のように怒っていたら体が持ちません。
くつろげる家庭、良い家族関係を築くことで健康にも良い影響を与えてくれます。イライラ、怒りの感情を上手にコントロールし、平和な家庭を作りましょう。