回想記 20:人生で何が大事か、病気(肝炎発症、肝がん)になってわかったこと

自分の寿命を知っている人はいませんよね。病気にかからなければ平均寿命まだは生きると思っている人が大半でしょう。しかし、それはあくまで平均であって、自分の寿命がそれ以上かそれ以下かもしれません。

不幸にも交通事故にあって亡くなるかもしれない。

昨日までは健康そのものだったのに、今日になって体の調子が良くないので病気で検査してもらったら、末期ガンと宣告されるかもしれません。それは誰にもわかりません。

テレビや新聞のニュースで見る不幸は自分には関係のない出来事だと思うのが普通でしょう。しかし、起きる可能性は誰にもあるのです。私がそのいい例です。まさか自分に肝炎が発症し、肝ガンができるとは夢にも思っていませんでした。

肝ガンの摘出手術をした後から、真剣に自分の人生について考えるようになりました。

人生とは何か?

一歩間違ったらこの世にいなかったかもしれない体験をすると、人の命はもろいものだと気づかされます。若くして亡くなる人もいる中で、自分がこうして生きていることはとてもありがたいことだと、感謝する気持ちが持てるようになりました。

悟りを開いたわけではありませんが、生きる意味、「人生とは何か?」などを時々、自問自答しています。

例えば、私が生きている意味は何か?と考える場合だと次のようなことを自分に問いかけます。

  • 家族のために生きているのか?
  • 世の中を良くしたいのか?
  • 人を幸せにするためか?
  • 世の中に何か残したいのか?
  • 子孫を残すためなのか?

こんな感じで考えています。毎日の暮らしが同じような繰り返しで、ただ惰性で生きているのではと思ってしまうこともあります。

ちなみに、この質問を百人に聞いたら、百通りの違った答えが返ってくるでしょう。それだけ、人生観は人それぞれ違います。

いろいろ考えた結果、最終的に私が見つけた答えはとてもシンプルです。

幸せに生きる」、ただそれだけです。幸せと言っても、その定義は人によって違います。とても主観的なものです。

高級車に乗り、ブランド物を身につけることで幸せと感じる人もいれば、貧しくても家族や友人に囲まれて過ごすことの方が幸せと感じ人もいます。人それぞれ違うものです。

私は自分が亡くなる時に「俺の人生は本当に楽しかった。幸せだった。」と思えるような人生にしようと決めています。とても漠然としていますが、ようはできるだけ好きなことをして生きたいと思っています。もちろん、人に迷惑をかけないのが条件です。自分も幸せで、周りの人も幸せにしてあげられるのが一番の理想です。

自分の幸せ探し

こうして、私の生きる意義は「幸せ」と決まりました。

幸せに生きるためには具体的に何をすれば良いのか?

幸せを妨げる物は何か?

日常生活が忙しいことに、自分の将来を考えられる時間がある人はどれだけいるのでしょうか?周りの景色もちゃんと見ず、一心不乱に走り続ける。本来は、ふと立ち止まって周りの景色を眺める余裕があってもいいはずなのです。何か大事なものを見落としている気がしてなりません。

例えば、仕事にかまって、家族と一緒に過ごす時間が持てないことはとても残念だと思います。社会人になって忙しいあまり、学生の頃に好きだったスポーツができなくなる。若い頃にあった夢がいつの間にか色あせて、気づいたらもう定年。自分の夢は遠い昔の記憶となってしまっていませんか?

それが、今の日本では一般的なのでしょう。しかし、一度しかない人生。後悔はしたくありません。人はしたことよりも、しなかったことに後悔するそうです。

自分は一体何をしたいのか?何をしている時が幸せと感じるのか?

人生の終わりに「やっておけばよかった」と後悔したくありません。そう思って、自分の幸せ探しが始まりました。

仕事はほどほどに、趣味を増やす、人生を楽しむことを優先

誰もが平等に1日24時間あります。この時間をどのような配分で使うのかで、その後の人生が大きく変わってきます。生まれた時は皆一緒ですよね。歩けないし、話もできない。しかし、その数十年後には大半がごく普通に人並みの人生を送っていますが、中には大金持ちになっている人、好きな分野で活躍し、世界的に有名になっている人もいます。

結果はさまざまです。どこに違いがあるのか?人の能力はよっぽどの天才でなければ、大抵は同じだと思うのです。しかし、時間の使い方が人よって違います。怠けた人と、努力してきた人とではその後の人生が大きく変わってきます。

何が言いたいのかというと、毎日の時間の使い方一つで、その後の人生が大きく変わってくるのだということです。私は別に、名声が欲しいわけでもないし、大富豪になりたいわけでもありません。ただ、幸せに生きたいだけです。

そういうわけで、幸せに生きるためには1日24時間をどのように使えばいいのかを、見直すことにしました。

一般的に幸せの定義とは何か?

社会人なら、1日の大半は仕事に費やします。朝起きて、朝ご飯を食べ、出勤の準備、そして出勤。これだけで2時間はかかります。仕事は最低でも8時間。ランチタイムは一時間、一般的に残業をする人が多いので、会社には1日10時間は最低でもいることになります。

家にたどり着くと早くても9時以降。お風呂に入って、晩ごはんを食べた後は疲れて寝るだけ。日本のサラリーマンのステレオタイプな生活スタイルかもしれませんが、こんな感じではないでしょうか?

では、週末はどうでしょう?家族サービスで子供の相手をするか、一週間の疲れがたまって、家でゴロゴロしているか。私の両親も共働きでとにかく、忙しくしていました。自分の趣味に費やす時間なんかなかったと思います。もっとも、趣味らしい趣味は持っていませんでしたが。

両親は中華レストランを営んでいたので、毎晩遅くまで働いていました。仕事一筋で、食事と寝る時以外に何をしていたのだろうか?香港映画、ドラマを見るのが雄一の楽しみだったような気がします。それが彼らにとって、ストレス発散となっていたのでしょう。

親の人生を否定するつもりはありませんが、親にとって楽しい人生だったのだろうか?

他にしたことはなかったのだろうか?

まだ、5歳だった私と2歳上の兄の2人を連れて、苦労してベトナムを逃れ、安住の地を求めて来た日本での生活は楽ではなかったはずです。来たばかりの頃、数年間は食べていくだけが精一杯だったはず。

それでも、ベトナムにいた頃よりも安全で住むこところもあり、仕事もあり、贅沢はできなくても食べていけることは、両親にしてみればそれはそれで幸せだったのかもしれません。

幸せの定義は人によって違います。だとすると、仕事で忙しく、自分の時間がなくても、平々凡々に暮らせられるだけでも両親にとっては幸せだったのかもしれません。

自分にとって、幸せとは何か?

自分はどうだろうか?

親の世代よりは生活は豊かになっています。大学を出て、そこそこの収入もあります。二十代で結婚して、子供を2人授かり、一般的に見ても安定していて、幸せな家族に見えると思います。

今はヨーロッパに住んでいるので、日本みたいに残業をすることもありません。夕方七時には家につき、家族で一緒に晩ごはんを食べられる時間と余裕もあります。

年に何回か家族旅行もするし、夏休みには日本に一ヶ月以上は里帰りします。客観的に見ても十分に幸せな気もします。

1日の大半を仕事に費やしていますが、日本と違い、昼休みにテニスをする時間があるので、まだ幸せな方でしょう。

それでも、私は満足できません。他にもやりたいことがたくさんあります。定年を迎えてから、やりたいことを始めるのではなく、したいことがあったらできる範囲で始めようと決めました。

今は元気でも、明日はどうなっているのかわかりません。事故にあって死ぬかもしれません。ガンの再発で余命宣告されるかもしれません。なので、したいことは今する。自分が好きなことをして過ごそう。後回しにして、歳を取ってからできなくなるかもしれません。そもそも、何歳まで生きているのかわからないのです。

死ぬまでしておきたいことリスト作り

そこで、考えたのがBucket List作りです。日本語で言うと「死ぬまでしておきたいことリスト」です。しておきたいことであって、しなければいけないことではありません。なので、好きなこと、楽しいことだけをリストアップします。

現時点で、しておきたいことは50ぐらいでしょうか。全部ではないですが、いくつか紹介します。

  • ギターを始める
  • 水泳で2キロ泳げるようになる
  • スキューバダイビングのライセンスを取得し世界中の海に潜る
  • 仕事しなくても悠々自適に生活できるだけの資産を50歳までに作る
  • 50歳でリタイアする
  • 世界一周旅行する
  • 夏はヨーロッパで、冬は東南アジアで半年ずつ住む
  • 中国語、日本語、英語、フランス語以外にもベトナム語、タイ語、スペイン語を取得する

まだまだありますが、大まかに言うと早く仕事を辞めて好きなことだけをして生きたいと思っています。仕事をやめると暇を持て余すと言う人が多いですが、それは仕事一筋で生きてきた日本人が言うことです。ヨーロッパではみな、仕事は生きていくための手段に過ぎません。

お金がたまれば、さっさと早期リタイアします。冬の間は暖かいスペインやポルトガルで半年ほどすみ、夏になると自国に戻るという人が多いのです。余暇の過ごし方はとても上手です。結構アクティブに動きます。世界中のあっちこっちにトレッキングしに行く人も多いです。

日本ではバックパックを背負って世界を周るのは若者と決まっていますが、西欧諸国ではさっさとリタイアした40代、50代のカップルが結構います。

私はその頃まで待たずに、今できることは今しています。

大好きなテニスは週に3回、水泳は2回、ジョギングは一回、ギターのレッスンも受け、老後を東南アジアで過ごしたいのでベトナム語、タイ語も取得中。日本語、北京語、広東語はもちろん、フランス語、英語も話せます。南米もいつかは旅行したいので、リタイア前にはスペイン語も始める予定です。

腰痛防止と一生スポーツが続けられるためにも、毎日の体幹トレーニングによる筋トレは欠かせません。

こうして、自分が好きなことをして過ごしているだけではなく、将来も好きなことが続けられるための準備とそれに向けての努力もしています。しかし、苦になりません。むしろ、いつかは夢が叶う日が来ると思えばむしろ、楽しいのです。

大病したおかげで、逆に人生に対して前向きに考えられるようになりました。不幸な出来事を逆にバネにでき、結果的に楽しい人生を送れていることと将来に対する見方が変わったのはよかったと思います。肝炎ウィルスに少し感謝してもいいかなと思っています。

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