老後の生活をどこで過ごすかを考える

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現役で働いていた時は、住み慣れた場所を離れて違う場所に移り住もうと思う人は少ないでしょう。しかし、リタイア後は仕事に行く必要もない。子供も独り立ちし、家を離れているはずです。

そうなれば、今までは通勤、通学の都合で住んでいた場所に固執して住み続ける必要もなくなります。

東北大震災があってから、日本の先行きを案じて海外に移り住む人たちも出てきています。それもリタイアを待たずに、家族だけを海外に移してお父さんだけが日本に残り稼ぐという形をとる家族も増えてきています。

最終的に今住んでいる町が好きで移り住む気がないのなら、それはそれで幸せなことでしょう。

しかし、日本は広い、世界はもっと広い。実は行ってみたらとても住み心地が良いという国、町に出会うかもしれません。もちろん、世界中を飛び回った結果、日本が一番住みやすい国だと気づくかもしれません。

それでも、リタイア後に住む安住の地が他にあるのどうかを考えてみる価値はあると思います。あっちこっち訪れた結果、やはり日本がいいと思えればそれはそれで日本の良さが再確認でき、日本が一層好きになることも悪いことではありません。

リタイア後に住む場所を選ぶ際に注意する点がいくつかあります。ただ楽しいという理由だけではなく、移住後も何十年住むのですから、長い目で見る必要があります。

年をとればとるほど健康面で心配が出てきます。移住した先が逆に寿命を縮めたら本末転倒です。そうならないためにも、いろいろな方面から分析して慎重に選びましょう。選んだ場所が自分の生活スタイルに合っていて、幸せに健康で長生きできればどんなに素晴らしいことか

では、どの点を注意すればいいのか見てみましょう。

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気候

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気候は生活の質を最も左右すると言っても過言ではありません。年をとると熱中症で亡くなるお年寄りが多いことからもわかると思います。暑すぎたり、寒すぎたりすると体がストレスを感じます。若いうちは体力があるので体が耐えられますが、年をとるとそうはいきません。

日本は四季があり、春の桜、秋の紅葉は綺麗ですよね。しかし、蒸し暑い夏と、外も家の中も寒い冬はできれば避けたい季節です。それでも四季がある方がいいと思う人は多いみたいです。

あるいは、渡り鳥みたいに好きな季節だけ日本で過ごしたければ、夏と冬は避け、春と秋だけ残ればいいでしょう。

日本国内だったら、夏は涼しい北海道に、冬は暖かい沖縄に数ヶ月ずつ住む。春と秋は自分の家に戻って来るという感じです。

あるいは思い切って海外に出るのもいいでしょう。12月から2月までは東南アジアは乾季で空気はカラッとしていて、気温も28度位でとても過ごしやすいようです。

3月から10月ぐらいまでは平均温度が32度ぐらいでとても暑いため、春は日本に帰ってきてもよし。マレーシアのキャメロンハイランドのような涼しい地域や、タイのフアヒンのように夏でも湿気がそれほどきつくない場所を選んで避暑するのもよし。

金銭面で余裕があるのなら、ヨーロッパ、南米、オーストラリア、ニュージーランドで避暑するのもいいかもしれませんね。

ヨーロッパは4月からサマータイムになり、夏は夜の10時まで明るく、空気もカラッとしていてとても過ごしやすいです。ヨーロッパでは冬の間も比較的温暖なポルトガルやスペインの地中海側の町に滞在し、夏は自国に戻るという渡り鳥生活をしているリタイア者は多いです。

西欧人はリタイア後は自分たちの国に留まることに固執しません。より良い環境を求めて移動して暮らします。良いとこ取りです。

もっとも、したいからと言って皆ができるわけではありません。移動と住居を確保するのにお金がかかります。家を空けている間も、そのまま放っといて置くわけにはいかないので、管理費もかかってきます。

海外だと言語の問題も出てくるので、海外生活の経験がない人には逆にストレスを感じるかもしれません。中には海外生活の経験が全くなくても、思い切って飛び出す人もいます。

渡り鳥のような生活を望むならそれなりの度胸と下調べが必要となってきます。さもないと、現地でトラブルに巻き込まれたり、安全のように見えますが同胞の日本人にお金を騙し取られたりします。

生活環境

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リタイア後と現役では生活スタイルが違いますよね。仕事をしなくていい分、町の中心地から離れた郊外、あるいは田舎に住んでもいいわけです。比較的体が動く60代なら田舎でもいいが、病院通いが必要になる頃には少し便利な所を選ぶ必要が出てきます。

日本なら人口100万人以上の大都市ではなく、もう少し人口が少ない街。スーパー、病院など生活に必要は物がそろっている場所が良い。健康面を考えると、周りに自然が多く、空気がおいしい場所であることも大事です。

日本だけを見ると、北は北海道、南は沖縄とその周辺の島などが自然に囲まれています。大都市みたいに生活のリズムもセカセカしていません。人口が少ない場所なら、交通渋滞も大気汚染の心配もありません。

東京を筆頭に大都市の中心地は正直、リタイア生活を送るのにはあまりオススメできる場所ではありません。

それは日本に限らず、海外でリタイアしようと思っている場合にも当てはまります。

リタイアしたい国ナンバー1に選ばれているマレーシアでさえ、少し考えないといけません。ヘイズなどの公害が報告されています。ロングステイ先のいいところだけを聞いて、鵜呑みにせずに下調べと現地での短期、長期滞在を体験してみるといいでしょう。

数週間である程度の良し悪しは見えてきます。

慢性的な交通渋滞と大気汚染がある街なら、初めから選択肢から除外視してもいいでしょう。

食事

mix_vegitable健康に生きていく上で食事は大きなウエートを占めます。日本国内ならそれほど当たりハズレはないでですが、それでも海の幸がおいしい北海道や日本海側。南国の料理が好きなら沖縄。

和食が健康に良いことは、世界中で知られています。しかし、和食に限らずどこの国にも健康食は存在します。もっとも口に合う、合わないはありますが。

タイ料理、マレーシア料理は香辛料が効いていて食べづらいと言う人もいます。まあ、毎日外食で現地の料理を食べるわけでもありませんし、異国にいながら和食で通すにも大変です。

世界中からリタイア者が集まってくる、タイのチェンマイ、プーケット、マレーシアのペナン島ならとてもインターナショナルな環境なため、和食、イタリア、フレンチなどさまざまな国の料理が食べられます。

スーパーに行けば日本の食材もそろえられるので、自炊するにも便利です。日本食材のように輸入品は高くつくので、なるべく現地で調達できる食材は現地でそろえるのが賢いやり方でしょう。

食事で一番気をつけたいのは値段ではなく、食の安全性です。東南アジアは暑いため食材が腐りやすい。そうならないように、添加物あるいは農薬を使っていることが多いはずです。

屋台で食べる食事は安いのはそれなりの理由があります。質の悪い食材、使いまわしている油、調理場の悪い衛生環境。食事を安く提供しているレストラン、屋台がすべていけないとは言っていません。

中には良心的なお店もあるが、それは少数派に入るでしょう。

食材は地元でとれた野菜、果物などが売っている市場で調達。最近ではオーガニック野菜、抗生物資を使用せずに飼育している牛や豚などの肉を出しているお店もあります。

金銭的に余裕があれはメイドさんを雇い、それらの安全な食材を買ってきてもらって、家で調理してもらえば健康によい食事が作れます。東南アジアではメイドさんを安く雇えます。住み込みでなくても、通いのメイドさんであればっ料理を作り置きしてもらうこともできます。

和食が好きなので日本が1番いいという偏見は捨てて、海外で過ごす際の食事もさほど苦労しなくて済む場合もあります。

医療

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年をとったら心配なのが病気にかかった時。当然、日本語が通じる日本が1番と思うのも当然です。東南アジアは医者の質が劣ると思っているかもしれませんが、そんな偏見も捨ててください。

シンガポール、マレーシア、タイは医療先進国です。メディカルツーリズムでも知られているぐらい、医療に力を入れています。医師は欧米諸国で医学を学んだ方が多く、英語はもちろん日本語を話す医者もいます。

チェンマイ、バンコク、ペナン島、クアラルンプールなどの大病院であれば、日本語通訳のサービスも受けられます。

欧米諸国からは自国よりも安く質の高い医療を受けられるため、とても人気があります。病室もホテル並みの部屋を提供してくれますし、病院自体が病院らしくなく、まるで五つ星ホテルのような病院もあります。

一度に受ける診察料も、日本で払う3割負担と同額ぐらいでしょう。高齢になれば医療費が増える可能性が高くなるので、現地で保険に加入することをオススメします。

患者に割く診察時間が一人当たり数分の日本よりも、じっくり話を聞いてくれるこれらの東南アジアの医療先進国の医者にかかってみるのもいいのではないでしょうか?

人間関係

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住み慣れた土地にはお近所さん、地元にいるお友達、知り合いが多いはずです。リタイア後にその土地を離れて違う場所に移る場合は、移った先で一から人間関係を作ることになります。生まれつき明るく、人見知りしない性格の持ち主なら、どこに行っても簡単に友達は作れるでしょう。

ましてやリタイア後は自分たちと同じ年代で同じようなリタイア者なら、お互いに友達を探しているため、比較的に簡単に友達はできるはずです。

これがもし、海外に移住しようと考えている場合は、事情が少し変わってきます。まずは言語の問題が出てきます。タイとかベトナムなどを移住地として考えている場合は、現地の言葉を話せた方がいいことは間違いありません。

しかし、英語ですらままならないのに、ましてやタイ語やベトナム語を学ぼうとすると楽ではありません。とうせなら、英語が通じる国の方がいいと思うのも当然ですよね。

あるいは日本人が多く住んでいるチェンマイやペナン島に移住すれば、日本人の友達を作るのにも問題はないはずです。あるいは逆に、狭い日本人社会の方が窮屈に感じるのならば、思い切って日本人が少なく、欧米人に人気のある街を選ぶのもありです。

英語が多少でき、性格が内気な人でなければ、例えばタイのフアヒンなどもオススメです。日本人が5、60人ほどしかいない町。どっぷり日本人社会に浸かり、変な日本人のしがらみに惑わされることもありません。欧米人のリタイア者が多いので、英語が必修となってきますが、欧米人は下手な英語でも根気よく聞いてくれます。そして、たまに日本人の友達と会う感じの方が気楽でいいかと思います。

娯楽

tennisリタイア後にできるたくさんの時間を趣味に使いたいですよね。楽器、読書、映画鑑賞など、場所に関係なく家でできる趣味なら良いでしょう。しかし、テニス、ゴルフ、スキー、スキューバーダイビングなどが趣味だと、住む場所に左右されます。住む場所の近くにこれらの趣味ができる環境がある必要が出てきます。

スキューバーダイビングやスキーは毎週行くわけではないので、それほど考慮することはないかもしれませんが、テニスやゴルフとなるとやはり、週に1,2回したくなります。そうなると移動に時間をかけたくないので近場にある方が便利です。

また、施設が十分にあるのか?利用料がどれくらいかかるのか?なども調べる必要があります。テニスコートを予約するのに抽選となると、少し不便です。または、高価なゴルフ会員権を購入しないとゴルフができないとなると、財布の中身と相談する必要が出てきます。

ハイキングが好き、散歩が好きなら、近くに自然がたくさんある方がいいですよね。泳ぐのが好き、あるいはスキューバーダイビングが大好きで毎週でもしないのなら、常夏の南国の島に移り住むのも良いでしょう。

まとめ

リタイアした後に住む場所をもっと広い視野で世界に目を向けてみましょう。たくさんできる時間をあなたはどのように過ごしたいですか?ただただ、時間が過ぎて行くのを待つだけの余生を過ごしたいですか?

一度しかない人生です。したいことをしよう!

住む場所を住み慣れた場所にこだわらずに、自分のパラダイスを見つけましょう

私自身もリタイア後は夏は現時点で拠点としているヨーロッパで過ごし、冬は東南アジアで過ごそうかと考えています。どこかを1カ所に拠点を置いておく方が、何かあっても帰れる場所があるので安心します。

そこが日本なのか、海外なのかは好きずきですが。正直なところ、地震のリスクを考えると日本に拠点を置こうとは思いません。治安が良く、自然災害が少ないヨーロッパに拠点を置いて半年は気候がいい夏のヨーロッパ、残りの半分は暖かい東南アジアというのが現時点でのリタイア後の描いている夢です。

東南アジアであればメイドさんを安く雇えることができ、家事から開放されることで時間を趣味にあてることができます。マッサージも安い値段で毎日のように受けることもできます。ゴルフもテニスも日本よりは安い値段でできます。

家族や友達と簡単に会えなくなるかと思いますが、日本を離れて住んでも、ネットのおかげで簡単にやりとりができます。1年に数回しか会えないかもしれませんが、逆に会えた時のありがたみがわかります。

一度、勇気を出して今住んでいる狭い世界から、もっと広い世界に飛び出してみましょう。今まで見えてこなかったものが見えてくるはずです。

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