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旅は楽しいものですが、トラブルは付き物です。国内ならまだしも、海外では文化の違いからくるカルチャーショック、国民性の違いからくる価値観の違い、習慣の違いなど様々な違いに戸惑いを感じます。
割り切ってその違いを受け入れて、海外での滞在が楽しいものにできれば問題はありません。しかし、中には文化の違いだけで済まされない出来事もあります。ボッタクリ被害にあったり、不快な思いをしたり、スリや盗みに遭遇することもあります。
ヨーロッパに25年以上住んでいる私自身が、今までに起きた困った出来事とその対処法を10個リストアップしてみました。
よかったら、海外に旅行やロングステイする時に参考にしてみてください。
列に並ばずに割り込みする
旅先で嫌な思いをする場面といえば、列の割り込みです。あなたも一度ぐらいは、列にちゃんと並ばずに割り込んで来る人を見かけたことがあるかと思います。ヨーロッパでもよく見かけますが、ヨーロッパ全体にそうかというと、それは違います。
ヨーロッパの中でも特にフランス人やイタリア人などは守りません。オランダ人やドイツ人は日本人の気質によく似ていて、真面目な人が多くちゃんと守ります。
東南アジアではどうか?
東南アジアのどこの観光地に行っても中国人観光客がいます。同じ中国人として言うのも恥ずかしいのですが、あらゆる場面で人が先に待っていたとしても、お構いなく傍から割り込んできます。
他の人が先に待っていることなどそもそも無視です。中国人は割り込んで来ること自体、悪い事と思っていません。むしろ、人を出し抜いたことで待つ時間が短縮できたと喜んでいるぐらいです。もちろん、中国人みんながそうかと言えば、それは違います。
そこには、モラルなど無く、悪い事をしたという自覚はありません。全く自己中もいいところです。
お客さんの対応をしている従業員も本来は先に誰が待っているか聞くべきでしょうけど、モラルの低い民族に日本の接客の質を求めてはいけないのでしょう。
この場合はどうするか?
怒らずに、とりあえずこっちも割り込んで「先に待っていました」と負けずに堂々と言うことです。日本人はおそらく旅先では言葉の壁もあってどうしても自分から言えません。
そこは、慣れです。勇気を持って言いましょう。事実だけを伝えればいいのです。
他にも待っている人がいたら、さすがに従業員もあなたのことを無視はしません。次は必ずあなたの番になるはずです。
それでも従業員に無視されたら、怒ってマネージャーを呼び出そうとせずに、仕方がないと思えばいいです。 カリカリしたら、せっかくの旅行が台無しになってしまいます。
レストランで注文してから料理が出されるまでの時間が遅い時
東南アジアでは、料理を注文してから15分以上待った試しがありません。もちろん、私が行くお店はストリートフード、ローカル色が強いお店が多いので当然ですが。時々、高級なレストランに行くこともありますが、ここでもほとんど待たされることがありません。
東南アジアでは人件費が安く多くの従業員を雇えるので、注文を速くさばけます。しかし、ヨーロッパではそうはいきません。ヨーロッパは賃金が高いため従業員をたくさん雇えません。お客が多いと一度に多くの注文をさばけなくなり、かなり待たされます。
おまけに食文化の違いによる影響もあります。東南アジアでは注文した料理を仲間でシェアして食べる習慣があるので、出来上がった料理から出して行くので食べ始めが早いです。なので、東南アジアでは最初の一品が出てくるまで長時間待たされることありません。
では、ヨーロッパではどうか?
基本、ヨーロッパは各自が注文した料理を各々が食べます。そのため、別々に料理を出すと先に食べ始める人が出てきます。同時に食べることができないので、レストランの方もグループ内のお客さんたちには出来るだけ同時に料理を出そうとします。グループに10人いて、10人とも違う料理を注文したら、全部の料理ができるまでお客さんたちは待たされます。
そのため、1番最後に入ってきたグループは1番最後にサービスされるので、もっと待たされます。
東南アジアよりもヨーロッパで待たされることの方が多かったです。1時間半以上待たされたあげく、まだ料理が出されなかったことが何度もありました。
料理の注文をしてから長い時間待たされたらどうするか?
30分も待たされて、料理が出てこなったらお店に遠慮なく言います。20分おきに言っても何も持ってこなかったら、その時はドリンクだけ飲んで、お金も払わずに出ていきます。この場合はお店の方も悪いことをしたと思っているので何も言いません。
私はヨーロッパではこのような体験を何度もしています。
そもそも待つのが嫌なら、注文してからすぐに出せる料理が何かを聞くのもいいでしょう。
レストランの支払いの際、べらぼうな額の支払いを要求された時や食べてもいない料理が上乗せされていた時
観光地ではよくあることです。基本は値段が表示されているお店で食べること。ちゃんとしたお店なら問題はありません。観光客が多く訪れるストリートフードのお店でも、最近は値段が提示されていることが多いのでこれも問題ありません。
地元の人たちが訪れるお店、ストリートフードは英語で書かれていないし、値段も書かれていません。地元の人たちはいくらか知っているのでしょうけど。
何度か値段を聞かずに食べたことがありますが、高い値段をふっかけられたことがありません。もっとも、地元の人たちよりも高めに払っているけど、気づかないだけかもしれませんが。
メニューが無かったら、1番いいのは紙に値段を書いてもらうことでしょう。それなら値段の聞き間違いがなく、一番安心して注文できます。
東南アジアでは、地元の人たちが通うお店で働く店員さんはあまり悪い人はいないように思えます。人を騙そうとする度胸のある人が少ない気がします。
注文が水増しされることもしばしばあります。
ストリートフードだろうが、レストランだろうが、どこで食べるにしても注文が多いほどお会計は注意するべきです。何を食べたかわからなくなります。観光地にあるレストランでの食事、または大人数で食事をする時は注意が必要です。それから、お酒を飲む時も特に注意すべきでしょう。
みんながビールを注文したとき、誰が何本飲んだかもうわかりません。お店の方もそれを知っているので、水増しして計算します。注文するたびにテーブルの伝票に記入してくれれば問題はありません。そうでなければ、注文する度に自分たちで紙に書き留めておきましょう。
ホテルのチェックインで待たされる時
観光シーズンではチェックイン時に待たされるのは仕方がありません。日本人は有名レストランや人気店でどうしても食べたいので、平気で1時間待っていられます。なのに、思ってもいないところで待たされると不機嫌になります。
結局、高いお金を払っているのに、それ相応のサービスが受けられないことが嫌なのです。もちろん、ホテルがハイシーズン時に人員を増やすとかして対応すべきなのでしょうけど。
しかし、せっかくの旅行ですのでカッカせずに、それも旅行のうちだと思ってのんびりとロビーでサービスされたドリンクでも飲んで旅の疲れをとるか、これからの旅はどうしようかと考えたり、一緒に来た仲間と会話を楽しむぐらいの余裕をもちましょう。
タクシーの運転手にぼったくられた時
東南アジアで1番ぼったくられるパターンがタクシーです。日本でもあるでしょうけど、断然少ないです。日本人は仕事に対してプライドを持っています。東南アジアではプライドは二の次で、お金が第一です。
家庭環境が貧しく、生活がかかっているのはわかりますが、人を騙してまでお金を取れば長い目で見れば観光客の足が遠のきます。しかし、そんなことは考えません。毎日の生活がかかっているのでそんな先のことなんか一個人が考えるわけがないし、国が何か政策を打ち上げて改善するわけでもない。
東南アジアでも国によってはぼったくる割合が少し違ってきます。タイやラオスは信仰が強い仏教徒が多いことも関わってくるのかもしれませんが、比較的穏やかで親切な人が多いような気がします。
ベトナムでは、食うか食われるかの弱肉強食の世界観があります。騙される方が悪いと全く悪ぶっていません。
タクシーの運転手に騙されない方法は、単純にタクシーを使わないことです。国際空港から都心までシャトルバスが走っています。エアポートレイルリンクなども出ています。
どうしても荷物が多く、仕方がなくタクシーを利用したい場合は、信頼のあるタクシー会社だけを使うこと。ネットで調べれば、どこのタクシー会社がオススメなのかすぐわかります。
もちろん、信頼のあるタクシー会社といっても中には、欲の深い運転手もいます。必ず事前に料金交渉をするか、メーターが上がっているのを確かめましょう。
もっとも、メーターを操作して、すごいスピードでメーターが上がっていることもあります。そしたら、すぐに遠慮なく降りましょう。
メーターが上がっていたとしても、わざと遠回りをする人もいます。初めから相場がわかっているのなら料金の事前交渉が1番安全な気がします。
あるいは、空港でSIMカードとデーターを購入してネットが使えるようにすれば、スマートフォンで現在位置を確かめることができ、遠回りされてもすぐに気が付きます。
これだけ注意してもぼったくられることもあります。それでも、せいぜい数ドルとかの世界です。怒っても無駄なエネルギーを使うことになるので、その時は諦めてチップをあげると思って払いましょう。
バスの出発時間になっても一向に出発しない時
東南アジアでは都心のバスならまだしも、地方の方に行くバスの場合は人が集まり、バスが埋まってから出発なんてことはよくあること。時間通りに来て、時間通りに出発する日本の時刻表とは大違いで、時間厳守が普通である日本とはかなり時間に対する意識が違います。
だからといって、ここでもカッカしてはいけません。それが、彼らのやり方です。しかも、出発したのはいいが、途中で自分の家や知り合いの家に寄ってピックするなど、公私混同することもよく見かけます。
さすがに、飛行機などの出発は世界基準なのでスケジュール通りに出ますけど。 日本からツアーで来るのなら、全行程ツアーコンダクターの付き添いがあるので、このようなことは起こらずにちゃんと予定通りに運ばれるでしょう。
しかしながら、ロングステイを何度か経験していれば、ツアーなどに参加しなくてもよく自分たちだけで地元の旅行代理店を通してやることになります。
地元のツアーの方が面白いし、出発時間が遅れた場合や、到着時間が遅くなったことで生じた待ち時間の間に何か新しい発見や、出会いもあります。
物事は計画通りに進むよりも、少しのハプニングがあった方がいいサプライズがあったりするものです。
観光地でお客の勧誘がしつこい時
観光地に行けばどこでも客の勧誘は少なからずあります。貧しい国に行けば行くほどしつこくつきまとって来ます。その日の稼ぎを頼りにし、お腹を空かして待っている子供を抱えている人もいます。みんな、生きるために一生懸命なのです。
だからと言って、欲しくもない物やサービスを、相手に同情して買ってあげてもその場では確かに助けてあげることになります。しかし、物乞いをしている人たちにお金をあげるのと同じような気がします。
私は基本、物乞いをする人たちにはお金をあげません。それが本当に彼らのためになっているとは思わないからです。それと同じことで、欲しくもない物を買わないでおけば、彼らもどうして売れないのか考え、知恵を絞って売れる物やサービスを考えるようになることを期待しています。
一人でも多くの人が努力し、今の状態から抜け出そうと一生懸命になってくれれば、彼らの国ももっと豊になるに違いありません。
なので、いらないのなら少し笑顔をみせて、一言「ノーサンキュー」と言ってその場を去ればいいだけです。
よく、「Where are you from?」と声をかけられます。あれは話のきっかけを作り、フレンドリーになって自分のサービスや物を売り込む作戦です。初めからその気がなければ相手にしないのが1番なので、同じく「ノーサンキュー」と言って歩き続ける。
それでもついて来たら怒らずに無視するだけです。
レストランやバーでタバコを吸っている時
東南アジアではヨーロッパなどの先進国と違い、レストランでの喫煙は禁止されていません。ヨーロッパでもレストラン内は禁止の所が多いですが、テラスでは吸って良いことになっています。
どこに行っても必ずタバコを吸っている人がいます。タバコが嫌いな私は、後から来た客が周りの客に気を使わずにタバコを吸い始めたら遠慮なく言います。もちろん、低姿勢ですよ。
西欧人なら、大抵は気を遣って吸うのをやめるか、タバコを違う手に持ち変えるなどしてくれます。
東南アジアでは私は言いません。特に、マナーの悪い中国人観光客に言っても怒鳴られるのがおちです。先にいた自分が退くのはおかしいと思いますが、彼らに言っても無駄なので、我慢してその場に残って副流煙を思いっきり吸うよりは黙ってさっさと立ち去るのが懸命です。
心の中で「タバコをガンガン吸えば、自分の命を縮めるだけなので、勝手に吸っていればいいさ!」と言い聞かせます。
自転車、バイクのレンタルで難癖つけられた時
自転車、バイクのレンタルでトラブルを回避するために、乗る前に写真を撮っておくこと。しかもお店の店員さんが見ている前で。
パスポートを預けないと借りられないお店が多いので、難癖つけらたらおしまいです。最悪パスポートが返ってこないかもしれません。
このようなトラブルが起きないためにはホテルに付いているレンタル屋さんから借りるのが1番安全です。 リスクは付きものなので、面倒なトラブルがいやならいっそのこと借りないのもありですけど、あると一気に機動力が増し、旅行が一層楽しくなります。
ホテルから貴重品が無くなった時
ホテルから貴重品が無くなってもホテルには文句が言えませんよね。カバンごとなくなるような事は無いと思いますが、財布の中から何枚か紙幣が無くなっても気づきにくいし、気づいても盗まれた証拠なんかありません。怒ってホテル側に文句言っても意味がありません。
当たり前ですが、貴重品は自己責任で管理するべき。ちゃんとしたホテルなら金庫にしまっておくのが無難でしょうけど、ホテル側が金庫の鍵を持っている可能性もあります。彼らが欲しいのは現金です。カメラなどの電子器具は無くなれば明らかにわかるので手を出す可能性は低いと思います。
しかし、現金なら一枚ぐらい無くなっても一般的に気づきません。なので、現金はスーツケースに隠して鍵をしめる。 あるいは、滞在先がそれほど危険な地域でないのであれば、マネーベルトの中に現金、カードなどをしまって持ち歩いた方が無難かと思います。
南アメリカなどではマネーベルトに貴重品を隠し持っているのを知っているので、襲われたら身ぐるみ剥がされます。 なので、ここでは盗まれる方が悪いと思ってださい、自業自得です。怒るのなら自分の不注意さに怒ってください。盗っ人に怒ってもしょうがありません。怪我を負わされなかっただけラッキーだと思いましょう。
貴重品はしっかりと管理する。
- 万が一盗まれても、全額盗まれないように、ホテル、スーツケース、マネーベルト、スボンのポケットなどに分散するべし。
- パスポートなどの大事なデータはスキャンしてクラウド上に保管しておく。紛失しても、パスポートのコピーがあれば再発行してもらえれば平気です。
旅慣れしていない初期の頃は経験が少ないため、色々なトラブルに巻き込まれることや、嫌な思いをすることがしばしばあります。初めの方はカリカリするかもしれませんが、旅には付きものです。パスポートの紛失と身に危険が起きなければ後はなんとかなります。
現金、カードが盗まれた場合は保険に入っていればすぐに再発行してもらえますので、これもなんとかなります。
それ以外のことが起きたら「まぁ、仕方がない。死にはしないからいいや」くらいの気持ちでいましょう。
起こるかもしれないリスクだけを恐れて、したいことができない方が残念です。リスクはつきもので、だけどどのように回避するか、その対処法を考えて行動した方が旅は楽しくなります。