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健康な食事を考える上で、一般的にバランスのとれた食事が良いとされています。バランスのとれた食とは体に必要な栄養素を偏りなく、まんべんなく摂ることを指しますが、その必要な栄養素はたくさんあります。大まかに言えば、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維(これは栄養素ではないですが必要です)。
これらのすべての栄養素を摂ることで動物の体は正常に機能し、新しい健康な細胞がつくられます。
しかし、普段の食事でこれだけの栄養素をちゃんと考えて、バランスよく食べている人はどれだけいるのだろうか?
一日三食のうちでこれだけの栄養素を取り入れるには、いろいろな食材を買ってきて作らないといけません。正直言って面倒です。
便利になった世の中、スーパーやコンビニでいろいろな素材を使ったお弁当やお惣菜を買ってきて食べれば、見た目はバランスのとれた食事に見えるでしょう。しかし、便利なものには代償が付き物。値段が高いだけではありません。おいしさ、鮮度、栄養素などはやはり手間隙かけて作ったものにはかないません。出来合いの物では新鮮な食材を一から作った物にはかないません。
お店で売られている物で人の手が加えられたもの程、加工品と同じく食品添加物がたくさん使われています。化学薬品である添加物がたくさん混じってある食品が体にいいと思いますか?
たまに食べる分には良いでしょうが、健康を考えたら毎日食べるわけにはいきません。かといって毎日何品も作って食卓に出すのは専業主婦であっても楽とはいえません。
加工品や出来合いの物を避けることができて、バランスの良い食事、栄養素がしっかり摂れる食事をつくりたいが、手間をあまりかけたくない。この場合はどうすればいいのか?
一番楽なのは、たくさんの栄養素が同時に摂れる食材を選べばいいのです。
完全栄養食とは?
そこで「完全栄養食」が出てくるわけです。完全栄養食を説明するにあたって、私たちが食べている食事がどのようなもので、どこが完全栄養食と違うのかを比べてみましょう。
一般的な食事は、白いご飯、野菜の煮物、野菜炒め、お肉や魚料理、デザートといった感じですかね。この中からいくつか見てみましょう。
ご飯
まずは白いご飯ですが、もみ殻を取り除いた後の玄米からさらに表皮や胚芽を取り除いたあとの米で炊いたもの。表皮と胚芽には、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているはずなのに白米はこれらの栄養素が抜けています。炭水化物だけが割合的に多く含まれていることになります。
野菜
野菜も皮をむいて調理することが多いと思います。しかし、野菜にもこの皮に栄養が詰まっています。皮をむくと中の色が変色してきます。これは空気に触れることで酸化しているためです。皮がついている間は酸化しないということは皮に抗酸化物質が豊富に含まれている証拠。
この皮をむいて捨ててしまうわけですから、無駄に大事な栄養素を摂り損なっているというわけです。
魚や肉
魚や肉も身だけを食べていることが多いですね。もちろん豚肉にしろ牛肉にしろ骨と皮も食べるのは無理な話ですが、魚はそれができます。小魚を食べればいいのです。そうすれば頭から尻尾まで丸ごと食べられます。丸ごと食べることでたんぱく質だけではなく、カルシウムを中心としたミネラルやビタミンD、良質な脂肪も同時に摂れます。
これでわかったと思います。「完全栄養食」とは、自然でとれたものを部分的に食べるのではなく、できるだけ丸ごと食べることです。そうすることで必要な栄養素が一度に摂れます。これならわざわざ足りない栄養素を摂るために、別のおかずを用意する必要がありません。
果物、野菜なら皮を剥く手間が省けるし、小魚などは手軽に安く買える。一度にたくさんの栄養素が摂れるからおかずの品数を増やさなくてすみます。
オススメ完全栄養食
実際にどのような食品、食材を食べればいいのか?あるいは普段食べているものでもどのようにして食べればいいのか?
別に難しいことはありません。基本はとにかく野菜と果物なら皮ごと食べること。ここで大事なのは無農薬、有機栽培で作られたものであることです。でなければ皮にいっぱい付着した農薬を一緒に食べることになります。これでは本末転倒。体にいいと思って食べたら実はもっと健康を害しているなんて意味がありません。
にんじん、大根などは皮をむいて調理したほうが食べやすいし、煮物にする時は味がよくしみこみおいしいとは思います。しかし、栄養面から考えた場合は、抗酸化物質が含まれている皮を残して食べたほうがいいと思います。
もちろんバナナなど硬い皮で覆われている果物や野菜は皮をむかないと食べられないので、剥いた方がいいでしょうけど。しかし、大抵の果物や野菜なら皮が少しぐらい硬くても食べられるものは少なくありません。あるいは、煮たりすれば柔らかくなり、食べられるようになります。
私の場合、りんごはもちろんですが、一般的に皮を剥いて食べるような、梨、柿、ブドウ、桃などの果物も皮も一緒に食べます。多少、食感がいいとはいえない果物もありますが、最初は健康のためだと思って少し我慢して食べていました。今では慣れて、あまり不快に感じません。むしろ、皮をむいて食べると何か損した感じがするぐらいです。
私が普段から食べている完全栄養食をリストアップしてみました。
玄米、雑穀
主食のご飯ですが白米はやめて、表皮と胚芽がついている玄米を食べましょう。食物繊維、カルシウム、タンパク質、ビタミン類、ミネラルなどが含まれています。雑穀を一緒に混ぜるとなお良し。
玄米ご飯は硬くて食べづらいと思いますので、発芽させて食べることをオススメします。発芽させることにより食べやすくなるだけではありません。発芽玄米は玄米よりもミネラルの吸収がよく、血圧を正常にするアミノ酸ギャバが多く含まれています。
我が家では玄米を自分たちで発芽させて食べています。そこに一割から二割ぐらいの雑穀を混ぜています。
足している雑穀はきび、ひえ、あわ、そば、キヌアとはと麦です。全体的に白いご飯よりは硬いですが、発芽玄米とこれらの雑穀を混ぜると玄米だけの時よりも断然食べやすくなります。白いご飯を食べる時よりもよく噛まないといけないので、噛む回数が増えます。噛む回数が増えることで唾液が多く分泌され、消化を助けてくれます。おまけに食べるのに時間がかかるため、満腹感を感じるまでに食べるご飯の量も減ります。いいことずくめですね。
小エビ、小魚
頭からしっぽまで丸ごと皮、骨、内臓も一緒に食べられる小魚や小エビは栄養がたくさん詰まっています。良質なタンパク質とカルシウムが豊富に摂れるだけではなく、魚の頭には食べると頭がよくなるといわれている脂肪酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれ、内臓にはビタミンDが含まれています。こうしてみると丸ごと食べることがいかに良いかわかると思います。
小魚:小あじ、うるめいわし、ししゃも、しらうお
小エビ:干し桜えび、小エビ、川えび
煮干:かたくちいわし、ちりめんじゃこ、しらす干し
どれもスーパーで気軽に買えるものばかりです。値段も高くありません。調理も簡単にできるものばかりです。ご飯と混ぜたり、焼いたり、野菜と炒めたり。こんなに簡単に手に入って、調理が便利で、そして栄養満点。毎日の食事に積極的に使いたいものです。
豆類
動物の体を正常に機能させるにはタンパク質が必要です。肉を食べないベジタリアンにとって豆は強い見方。植物性タンパク質なので動物性タンパク質みたいに、食べ過ぎで動脈硬化になる事もありません。
特に大豆は「畑の肉」と言われるくらい良質なタンパク質が豊富。他にも、不飽和脂肪酸、ビタミン、食物繊維なども豊富に含まれていて、玄米と同じく芽生えるのに必要な栄養素が凝縮されています。
使い方も簡単。我が家でもレンズ豆を発芽玄米、雑穀と一緒に炊いています。野菜たっぷりスープを作る時にはヒヨコ豆や数種類のレンズ豆を一緒に入れて煮ます。
いんげん豆やさやえんどうは簡単に炒めて食べます。他には豆腐、納豆などこれも簡単にスーパーで手に入ります。
他にもいろいろな豆がありますが、何でも煮物にするか、ご飯と一緒に炊いてしまえば何てことありません。手の凝った料理をしようとすると作るのが億劫になるので、とにかく手軽に作れる調理方法にしましょう。毎日の食事に取り入れるコツは準備に手間がかからないことです。
卵
完全栄養食の代表名詞。良質なタンパク質、カルシウム、各種ビタミン類、ミネラルがバランスよく含まれています。特にタンパク質ですが、人間の体内では作り出せない必須アミノ酸9種類がバランスよく含まれています。
豆や玄米などにもタンパク質が含まれていますが、必須アミノ酸9種類が全てあるわけではありません。そのため卵と一緒に食べ、補充することで大豆と玄米の栄養価が高まります。ご飯に納豆をかけて食べますが、この時に生卵をかけて食べることがあります。栄養面から見るとまさに理想な食べ方かもしれません。
卵のいい所は栄養面だけではなく、気軽にスーパーで安く買えること。安いのに栄養価が高い、調理方法も簡単でバリエーション多い。こんな素晴らしい食品は毎日食べたいものです。
まとめ
完全栄養食は実は私たちが普段食べている物の中にいっぱいあることに気づいたと思います。でもあまり意識して食べている人は多くないのでは。あるいは白米のように皆が食べているから安心して食べている食品が、実は栄養面ではあまり褒められる物ではないことがわかります。
少し知識が付くと、今まで食べていた物を違う目で見ることができるはずです。これで食卓のご飯とおかずが少し変わってくると思います。外食するときもちょっとした知識がメニューを選ぶ時に役立つことでしょう。
少しの違いが長い目で大きな違いを作る事を忘れないようしましょう。
積極的にこれらの完全栄養食を毎日の食事に取り入れてみては?
一家に一台は欲しい!発芽玄米が簡単に作れる玄米発芽器
日本ニーダー(KNEADER) 玄米発芽器 発芽のちから YC101G
かれこれ10年以上、発芽玄米を食べていますが、ガンの再発を今日まで防げられたのは発芽玄米を食べているからと言っても過言ではありません。もちろん、発芽玄米を食べただけでガンの再発防止ができるとは言っていません。しかし、ガンの再発防止に貢献している主な要因の1つであることには間違いありません。
発芽玄米を食べることがどれくらいのメリットがあるのかわかれば、きっとあなたも今日からご飯を発芽玄米にしようと思うはずです。
毎日でも、自宅で気軽に玄米を発芽させて、食べることができるので嬉しいです。