十年以上前の自分は口にしている物が何からできているのか、何が含まれているのか、それほど気にせずに食べていました。ラベルに表示されている原材料と使われている添加物など、もちろん見向きもしません。今では食べませんが、インスタント食品、レトルト食品はよく食べていました。加工品を食べると、今では胃が受け付けません。食べた日は一日中胃がもたれます。
しかし、大病してから一転して健康について考えるようになり、食生活から生活スタイル全般を見直しました。特に食事に関してはかなり細かく見直しました。便利な食材に頼れば頼るほど、多くの添加物を口にしていることに気が付きます。
工場で大量生産された食品は日持ちし、見た目もキレイに見せるために、人工的に加工された代物です。本来、命のある野菜や果物、穀物などが加工される過程で死んだ食べ物に変わってしまいます。その際に使われる添加物がどれだけ私たちの体に影響を及ぼしているのだろうか?
添加物が使われるメリットは?
食物を自然のまま食べるのが、一番おいしいく、栄養もあるのは考えなくてもわかります。しかしどうしてあえて添加物なんか入れるのか?もちろん入れる理由があるから入れるのですが、メーカーにとってのメリットは何か?
色、形を美しく仕上げる
一般消費者が食材の良し悪しを見分ける時の判断材料は色、形。初対面で人と会う時も外見がとても大事なのと一緒です。
まだ買ってない商品は口にできないので、やはり見た目に頼るしかありません。そうするとメーカーも消費者の購買意欲が高くなる色、形を人工的に作り上げて売るのも当然です。その時に役立つのが添加物。
シワシワになった干し大根を合成着色料などの添加物に一晩漬ければ、あら見事にキレイな黄色のたくあんに変身。タラコも添加物であんなに赤く色鮮やかに変身。他にも発色剤を使ってツヤを出したり、コシを出したり、形を整えるのにも使われます。
いかにも品質の高い食材と思わせるように添加物が使われます。
食品を長持ちさせる
添加物のもう1つの大きな利点は、保存料、酸化防止剤、防カビ剤などを使って、食品を長持ちさせるためです。食品が出荷してから、消費者の手元に届く間に腐ったら元も子もありません。できたての物をすぐに食べられるのが理想ですが、保存料を使わずに作られた食品で、逆にカビや菌が繁殖した物を食べるのも危険です。これだけの人口の胃袋を満たすのに、保存料を使わずに安全な食品を生産し消費者の手元に届けるのは楽ではありません。
品質を向上させる
加工品を作る過程で、加熱しすぎたり、あるいは加熱がちゃんとされてない状態で出荷したがために腐ったりします。加工品の製造過程が安定していないと仕上がりも安定しません。そいう時に添加物が使われると、常に安定した加工品が作ることができます。
コストを下げる
多少色が悪くて本来なら廃棄にするような野菜なども、添加物で食べられる代物に変えることができる。大量生産しても腐らせずに消費者に手元に届ける事ができる。原材料の無駄がなくなることで、生産コストも下げることができる。そうなれば商品は安くなります。
こうしてみると添加物は消費者にとってさまざまな恩恵を与えていることは、否定することはできません。
添加物は安全か?
見た目がキレイで、長持ちし、安く買える。一から作れば一、二時間かかるところを短時間で食事の準備ができるのも、忙しい人たちにとっては大変助かります。こうしてみると添加物はたくさんのメリットがあるように見えます。
しかし、添加物が万能なわけではありません。添加物は人工的に作られたもので、食材を本来の色、形から不自然な違うものに変えてしまう力を持っています。人体に害をもたらす可能性がないとは言いきれません。
市場で使われている添加物は一応、厚生労働省が毒性テストをして一定基準を満たされてから認可されたものです。もっとも、その基準がどれだけ信ぴょう性があるのかはわかりません。そもそも、テストは添加物を単品で使用して行います。しかし、実際に私たちが一日に摂取している添加物の量は数十種類にも及び、一回の食事で同時に10種類以上の添加物を摂っています。
複数の添加物を使用した場合のテストは行われていないため、安全性は確かめられていません。
添加物に発ガン性があるかどうか、因果関係はわかりません。しかし、昔に比べてアトピー、食物アレルギーが増えたのは食生活が変わったことと無関係とはい言えないでしょう。
食物を不自然に違う代物に変えるわけですから、添加物は食物の魔法の薬と言えるでしょう。薬ならば何かしらの影響があってもおかしくありません。
摂らないにこしたことはないでしょう。
一日の添加物の摂取量
ちなみに皆さんが一日にどれだけの量の添加物を口にしているかわかりますか?
一般的に日本人が摂取している添加物の量は一日約10グラム位だと言われています。一年間で4キロにもなります。そもそも塩の一日の摂取が11~12グラムなのですから、ほぼ同量の添加物を摂っていることになります。
さてどのような形で10グラムも添加物を摂取しているのでしょう?私たちが何気なく食べている食品にどのように添加物が使われているのか?
もちろん、独身生活している人と子供がいる家庭では食べる内容が違ってきますので、添加物の摂取量も変わってきます。
独身の場合
一般的に独身の社会人の場合は自炊する時間などがないので、どうしてもスーパーのお惣菜、コンビニのお弁当などを利用することが多くなるのではありませんか?サンドイッチ、お弁当、インスタント食などの出来合いのものは当然、長持ちさせるために保存料、色鮮やかに作るために着色料、他にも香料、化学調味料などといった添加物がたくさん使われています。
一種類の食品に十種類以上の添加物を使っているわけですから、一日三食をすべて出来合いのものにすれば数十種類もの添加物を摂っていることになります。
家庭の場合
添加物を大量に摂っているのは独身者だけではありません。主婦が準備するおかずも例外ではありません。
例えばサラダを準備したのはいいが、ドレッシングを自分で作れば自然な味を楽しめるし、オイルの量も調整できてヘルシーなのに、作るのに手間がかかるからと言って、出来合いのドレッシングを使います。他にも漬物、練り物、パッケージから出してすぐに食べられるものは全て添加物が使われていると思っていいでしょう。
ご飯を炊いて、味噌汁を作って一見料理をちゃんと作っているように見えても、実際は多くの加工品を食べています。
一から作れば添加物なしの料理を食べられますが、作る時間がないか手間を省くために加工食品に頼り、「便利さ」と引き換えに何らかの代償を払うことになります。
楽すればそれに比例して摂取する添加物も増える。単純な原理です。
食品に含まれている添加物
ここで実際に私たちが口にしている食品がどのように作られていて、どれだけの添加物が入っているか、いくつかの例を上げて見てみましょう。きっと恐ろしくなって、明日から買うのをためらうようになるかもしれません。
明太子
明太子の原材料はタラコです。色、形、硬さがいいタラコが捕れる時と、身が柔らかく、色も悪いタラコもあります。しかし、この質の良くないタラコを添加物を使えば、魔法のように色鮮やかに、身が引き締まったタラコに変身させることができます。質の悪いタラコが添加物だけで高級品のタラコに生まれ変わるのです。
見栄えの良いタラコに加工されたら、今度は化学調味料を使って味付けですが、ここでも旨味を出すために大量に使われます。今の時代の人たちは化学調味料の味に慣れてしまって、逆に入れないと味が薄い、味がないと感じる人多くなっています。
使う添加物は十種類以上にも及びます。使われている添加物の内容は正直、専門用語だらけでよくわからないので省きます。私は十年以上前から自然食品を中心に食べているので、これらの添加物まみれの食品を口にすると、舌がピリピリします。身体が敏感に反応しているのがわかります。
無添加の明太子は、みりん、お酒、しょうゆ、だし、水あめ、唐辛子から作られます。たったこれだけの材料で仕上がった明太子は美味しいのです。もっとも、これらの調味料だって、大量生産されたものなら添加物を駆使して作られたものです。直接的に使われていないので、明太子のラベルには表示されていませんが、間接的に調味料の中に含まれているので、完全に無添加食品とは言えません。
本物の調味料を使って作られた明太子だけが無添加と言えるのでしょうが、今の時代では手作りでしかそのような物は手に入らないような気がします。
ハム
ハムはそもそも西洋の食べ物で、豚の肉を燻製して長い期間、乾燥、熟成させて作られます。手間がかかっています。こうして作られたハムは本当に肉の味がします。しかし、日本で売られている加工品ハムはもう肉の味などしない代物になっています。
そもそも、豚のちゃんとした部位を使用するのなら、どうしてわざわざミンチにして跡形もないハムにするのでしょうか?
質の悪い肉を使っているか、肉以外のものを水増しして増量しているとしか考えられません。そこで添加物の登場です。水増しするために、つなぎとして専用に作られた肉用ゼリー液、色や弾力を持たせるために添加物。そうしてできたハムです。ハムと言えますか?
ハムもどきです。そんな物を食べて喜んでいる私たち、消費者にも問題があります。買う人がいるから生産されるのですから、私たちが食に関心を持ち、買う買わないを決めるのに必要な知識を身につけましょう。
梅干し、漬物
私自身が漬物が好きで、今では自分でぬか漬けを作っていますが、昔は市販の梅干し、漬物を喜んで食べていました。さて、この梅干しと漬物、裏の表示を注意して見たことありますか?
梅干しは塩、色付けにシソかウコンを使うぐらい、漬物も基本は塩、味付けに昆布や砂糖などを加える程度です。なのに、市販の漬物はこれまた、10種類以上の添加物漬けで作られています。
「低塩梅干し」や「低塩漬物」を喜んで食べていませんか?漬物に塩を使うのは味付けのためだけではなく、保存、色落ち防止、食感を保つ役割があります。しかし、塩分摂取過剰が健康に悪いと言われようになり、漬物に使う塩の量も減らすようになりました。
問題は塩分を減らす分、味付けに「化学調味料」、保存に「ソルビン酸」、色落ち防止に「酸化防止剤」、酸味には「酸味料」を使ってごまかしていることです。
さらにしょっぱさをごまかすために甘味料を足します。そうするとどうなるか?本来しょっぱい漬物を食べれば、少しで満足するのに、しょっぱくないためついついたくさん食べてしまいます。
低塩のはずが実はもっと多くの塩分を摂取していることになります。添加物と過剰塩分の摂取でダブルパンチです。
ラーメンのスープ
インスタントラーメンのスープ。しょうゆスープ、味噌スープ、とんこつスープなどを濃縮し、粉末にして売られているのかと思いますよね。でもそんな手間をかけて作られたインスタントスープが、あんな安い値段で買えると思いますか?
そこに気づけばスープの元になっている粉末が怪しいと思うはず。ここでも添加物のお出まし。塩、化学調味料とたんぱく加水分解物をベースに、とんこつエキス、チキンエキス、香辛料、酸味料、などを加えて、風味の配分でどんな味も作り出しています。
おいしいと喜んで食べている味は全てこれらの添加物の配合によるもの。なんかむなしい気がしませんか?
化学調味料
自分が子供の頃は家にも化学調味料があり、料理に使っていました。特にスープにスプーン1杯ぐらいは入れていたでしょう。母が「これを入れるとおいしくなる」と言っていた記憶があります。今では化学調味料のイメージがダウンし、家庭ではあまり見られなくなりましたが、それでも私たちの見えにくいところで使われています。
例えばレストランです。実家が中華料理屋を営んでいた頃の話です。どの料理にも化学調味料をスプーン1杯は入れていたと言います。そうしないと味が足りないというのです。私自身が子供の頃に実家のお店が作ったスープを「これ、おいしいね!何をダシにしているの?」と聞くと返ってくる返事は「化学調味料」でした。中華料理は本当によく使っています。おそらく他のレストランも使っているのではありませんか?
日本食レストランにしても、ダシを煮干し、昆布からとっている店だけではなく、ダシの素を使っているところもあるでしょう。それにも化学調味料が入っています。
加工品のパッケージの裏の表示を見てください、「調味料(アミノ酸)」と書かれているのがわかるかと思います。注意して見るとほとんどの加工品には化学調味料を使っていると言っても過言ではないでしょう。
たんぱく加水分解物
「たんぱく加水分解物って何?」と思う人もいるはずです。あまり聞き慣れない単語です。私たちがおいしいと感じる旨味の素はアミノ酸です。このアミノ酸を人工的に作ってできたのが「たんぱく加水分解物」です。
しょうゆや味噌の旨味も、こうじでゆっくりと大豆のタンパク質を分解してできたアミノ酸の旨味です。しかし、これでは時間がかかります。ではどうするのか?
手っ取り早く塩酸を使って、大豆、動物のゼラチン、魚粉などのタンパク質を分解(加水分解)するのです。その後に中和させてアミノ酸の液を作ります。
問題は塩酸です。塩酸を使って化学反応させると、「塩素混合物」ができてしまう恐れがあります。この「塩素混合物」は発ガン性が疑われています。それをメーカーは知らないふりをして生産しているとは思えません。
しかし、メーカーが悪いと言っているわけではありません。私たちはしょうゆや味噌に含まれているアミノ酸に旨味を感じる民族です。人工的に作られたアミノ酸である「たんぱく加水分解物」を使ってできた加工品がおいしいと思うのも無理はありません。
怖いのはこの「たんぱく加水分解物」の味に慣れてしまい、おいしいと思うことです。
もし、ダシの素で作った味噌汁と煮干しで作った味噌汁を飲み比べたら、おそらく大半の人たちは「ダシの素が入っている方がおいしい」というでしょう。それくらい私たちの舌はたんぱく加水分解物と化学調味料に侵されています。
不自然な調味料
添加物が使われている場所は食材だけではありません。料理の味付けに使う調味料そのものだって添加物で作り上げています。使っている素材が自然食品だとしても、調味料が本物ではなく、添加物で作られたニセモノを使えば、加工品ほどの量まではいかなくても、添加物を摂取しているとこになります。
しょうゆ
和食に欠かせない調味料である「しょうゆ」。本物のしょうゆは「丸大豆しょうゆ」と書かれ、大豆、小麦、塩とこうじを使い、仕上げまで一年以上かけて作ります。手間かけて作られたしょうゆはもちろんそれだけの値段はします。一本1000円以上はするでしょう。しかし、スーパーで一本200円とかで売られているしょうゆもあります。どうしてそんなに安いのか?
コストが安いから、販売価格も安い。当然です。本物のしょうゆなら材料費にかかるコストだけではなく、手間がかかるので人件費もかかります。安いしょうゆはこの両方のコストを抑え、安い材料と短時間で作っています。
そういうわけで、安いしょうゆは大豆の代わりに脱脂加工大豆(油を絞った絞りかす)を使い、塩酸で分解してアミノ酸を作る。そこに、化学調味料(うまみ)、甘味料(甘み)、酸味料(酸味)、着色料、香りづけ、保存料などを加えて「しょうゆ風味」を作り上げています。
余った絞りかすに粉末を混ぜ合わせて作るわけですから、製造時間が断然少なくて済みます。
このようにして作られたしょうゆには、しょうゆが持っている本来のうまみ、風味などがあるとは思えません。一度両方買って味を比べて見てください。きっと味の違いがわかるはずです。
みりん
みりんは本来、もち米と米こうじを焼酎の中で半年から一年ほど熟成させて作ります。しょうゆと同じように手間がかかります。時間かけて熟成されたみりんは独特の風味が生まれます。しかしここでもしょうゆと同じように速く、安く作られたみりんは「みりん風味」であって、本物のみりんではありません。
- シロップに化学調味料、酸味料、色素などを加えて作った「みりん風調味料」
- 米やとうもろこしなどを原料にアルコール発酵させ、化学調味料、酸味料、甘くした「発酵調味料」
短期間で作るみりんにはこの2種類がありますが、どちらも本物の純米みりんには風味も味もかなうわけがありません。
お酒
お酒も「しょうゆ」や「みりん」と同じく発酵させて作ります。本来、お酒の原材料は米と米こうじだけです。酵母を使って発酵させて、米のタンパク質をアミノ酸に変える過程で、うまみなどお酒の純粋な味を作り出します。こうして手間と時間をかけて作られたお酒が本物の日本酒(純米酒)となります。
しかし、メーカーは短時間で安く日本酒を作ろうとします。純米酒にアルコールを加えて増量し、そこにいろいろな調味料も付け足し「アルコール添酒」となるものを作られるのです。純米酒以外のお酒は添加するものによって呼び方が違ってきます。
- 純米酒:米、米こうじ
- 本醸造酒:米、米こうじ、醸造アルコール
- 普通酒:米、米こうじ、醸造アルコール、糖類、酸味料
- 合成酒:醸造アルコール、ぶどう糖、水あめ、グリセリン、香料、着色料、などなど
添加物が多く使って作られた物ほど、値段は安くなります。時間をかけて作った純米酒に醸造アルコールなどで増量するわけですから、純粋なお酒の味が薄まり、おいしいわけがありません。
酔っぱらう目的で飲むなら安いお酒でもいいでしょう。しかし、ただでさえ肝臓に負担がかかるお酒を飲んでいるのに、添加物が入っているお酒を飲むということはさらに体を傷めていることになります。
塩
いい食材はそのまま食べてもおいしいですが、ちょっとの塩で味付けするとさらに味を引き出してもっとおいしくなります。しかし、この時に使う塩によります。精製塩と自然海塩のどちらかを使うかで大きく味が変化します。
ここでも自然な状態で取り出した塩があるかたわら、人工的に作られた塩もあります。
本来は海水から水分だけを蒸発させて作った塩にはミネラルが豊富に含んでいますが、食卓にあがっている食塩はこれとは違います。この食塩は人工的に海水から塩化ナトリウムだけを取り出したものです。ただ単にしょっぱいだけの化学物質に過ぎません。一般的に使われている塩はこれに当たります。
自然そのままの海水にはさまざまなミネラルがバランスよく入っているのに、製造時間の短縮のために切捨ててしまうのですから、本当に残念です。このような塩を使えば当然、高血圧の原因にあげられても仕方がないことです。塩の摂り過ぎがいけないのではなく、人工的に作られた食塩(塩化ナトリウム)がいけないのです。
砂糖、酢、他
砂糖も同様、添加物を使用し、本物の砂糖とは違った代物を作っています。例えば三温糖と上白砂糖はどちらも栄養価の差はさほどないのに、「三温糖の方が体にいい」と言われればここでも添加物の出番です。
早速、上白砂糖をカラメル色素で染めて「三温糖」のように見せかけます。もちろん裏の表示を見れば原材料が書いてあるのですぐわかります。
これくらいの添加物なら正直、他の加工品に比べたら大したことありません。問題はそこではなく、砂糖みたいに原料に近い食材ですら、添加物を使っているところです。
酢にしてもお酒と同じで、醸造アルコールを混ぜ合わせて作られている物も多く出回っています。原材料に醸造アルコールを使わずに、「米」か「リンゴ」のどちらかを使って作られた物が本物の酢です。
こうして見ると本物である共通点はどれも原材料がシンプルであることです。原材料が少ないほど、ちゃんとした伝統的な製造方法で作られています。ちゃんと作られた調味料は、スーパーで特売のしょうゆが一本150円で売られているわけがありません。安いのにはそれだけの理由があります。
意識しなければおそらく、添加物で作られたものを買っているはずです。一般家庭で普段使っている調味料のほとんどがそうではないでしょうか?
本物の味を知らないのだから、普段使っている調味料が本物だと勘違いするようになります。
添加物のない生活ができるか?
こうして食品添加物の現状を見てきましが、口にしているほとんどの物に多かれ少なかれ、添加物が使用されていると言っても過言ではありません。これだけ食生活に浸透していると、添加物を全てカットして「ゼロ」にしようと思っても現実的に不可能です。
添加物は完全な悪ではありません。前にも述べたように添加物にもメリットはあり、その恩恵を私たちは受けています。なので、添加物を完全に排除するのではなく、「どのように添加物と上手に付き合っていくか」が問題となります。
原材料表示に関心を持つ事が最初の一歩
食品添加物を避けるにはまずは購入する製品の表示を見てから買いましょう。そこに書かれている原材料にカタカナ文字で書かれている物質名があれば、要注意です。そこに書かれている物質名が何かは知る必要がありません。そんなことはどうでもいいでしょう。実際、私にもよくわかりません。
原材料と調味料がシンプルであることが大事です。例えば、調味料であれば「しょうゆ」、「塩」、「みりん」、「味噌」、「砂糖」、「酢」などです。もちろん使用されているこれらの調味料自体が、添加物で作られたニセモノである可能性もあります。もうそこまで考えたら何も買えません。
とにかく、買い物かごに入れる前に表示を見る習慣を身に着けてください。
便利なほど添加物が含まれている、できるだけ自然な物を選ぶ
食品を買う前にその食品がどのような形で売られているのか考えてください。調理せずにすぐに食べられる状態であればあるほど、添加物がたくさん使われていると思ってください。
冷凍もの、サンドイッチ、おにぎり、カットサラダ、などなど。例を上げたらキリがありません。ご飯を自分で炊けば、添加物はゼロです。しかし、おにぎり1つをとっても、アミノ酸、保存料などが入っています。カットサラダでさえ、野菜を切っただけなのに、添加物が入っているわけがないと思うかもしれません。しかし、ここでも、薬品を使って殺菌されています。
製品の作られる過程が多ければ多いほど、添加物が使われる。自然な状態であれば添加物はなし。単純な原理です。
今一度、食品選びの時はこの原理を思い出してください。
安いものには理由がある
しょうゆ、味噌、みりん、塩などの調味料でも話しましたが、買う時にただ単に安いからいって買っていませんか?本物の調味料は作るのに手間がかかります。そのため、値段も高くなります。
安く売られている食品は安い材料を使い、時間短縮し、手間を省き、そして添加物を使っていることを忘れないでください。ただ安いからではなく、買う前にラベルを見ること、あるいは安くなっている理由を見分けることです。
同じ種類の食品の値段がピンからキリまであるのにはどうしてか?という疑問を持つことです。
食品の状態、形、色、製造方法などに疑問を持つこと
食品の安さだけに注目するだけではなく、どのようにして作られているのかを考えてみるのもいいでしょう。
どうして、たくあんは黄色いのか?
どうして、明太子はあんなに艶があるのか?
どうして、この食品は腐りにくいのか?
どうして、商品の呼び方が違うのか?
どうして、野菜がこんなに白いのか?
などなど、「どうしてだろう?なんか変だぞ!」と疑う気持ちを持ってください。宣伝のうたい文句を鵜呑みにするのではなく、「なんか怪しいな!」と思うことが大事です。
食育、料理をする、手伝う、便利さを追求しない
以前ユウチューブで面白い動画を見つけました。アメリカのテレビ局が小学校を訪れ、野菜や果物を子供達にみせて、名前を言い当ててもらう内容でした。しかし、子供達はビックリするぐらい名前を知らないのです。ヤラセかと思うくらいです。子供達は普段から野菜を生の状態で見たことがないのです。家庭で出される料理は加工品が多いことがわかります。
カット野菜、冷凍もの、ピューレになっているもの、ジュースになっているとか、とにかく原形が残っていない状態で買って来るため、子供達はわからないのです。
恐ろしいことです。最近、「食育」という言葉をよく耳にします。食の大切さを親が子供に伝えることです。親が子供に作るところを見せてはどうでしょうか?あるいは一緒に作るとか。
加工品ではなく、一から作れば健康によい食事が作れます。それから作る大変さを学び、食べ残しても捨てることなど、しなくなるでしょう。食に関心を持つようになるかもしれません。作った人、農家などに敬意を払うようになるでしょう。
「お金さえあれば、簡単に出来合いのものを買って食べられる」と思うようになると、食を粗末に扱うことになりかねません。
まとめ
私たちがもっと食に関心を持つことで、選択する能力がやしなわれます。正しい判断ができる人たちが多く増えれば、本物は残り、まがい物はいつか消えていくのではないでしょうか?
本物の食材で作る料理はおいしく、しかも健康にいい。便利を優先すれば今は良くてもいつか、つけがまわってくる日が来ます。
何が大事かを考えながら食品を買いましょう。
便利さ?安さ?おいしさ?それとも健康?どれを優先しますか?