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健康で長生きする人たちが多く集まる地域、「ブルーゾーン」の4カ所のうちの1つに、中米のコスタリカ・ニコジャ半島という場所があります。正直言って、あまり聞かない名前ですよね。
ブルーゾーンのうちの1つである沖縄、現時点では日本国内で見ると100歳以上の数は沖縄が一番ではありませんが、それでも世界でも長寿の地域として認識されています。
ヨーロッパではサルデーニャ島が長寿者が多い地域だということも知られています。同僚にサルデーニャ島出身の人がいます。彼の話によると、100歳を超えている親戚が何人かいるそうです。
健康でいる要因は何かと聞いたことがありますが、こちらの記事で書いたことを裏付けるような内容でした。「サルデーニャ島は長寿の島、特に男性が長生きしている、その秘訣とは?」
それに引き換え、コスタリカが長寿の地域だと言われても、なにかピンと来ません。しかし、その意外性があるからこそ、逆に興味が湧いてきます。
中米のコスタリカ・ニコジャ半島に暮らす長寿者の健康の秘訣を探ってみましょう。
ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ 健康と長寿のルール
特徴
ニコジャ半島は、太平洋岸のニカラグア国境に近く、130キロほど細く伸びた半島です。地理的に見ると長寿の地域の1つであるイタリアのサルデーニャ島と同じく隔絶されています。その孤立した地域性が長寿にプラスに作用したと思われるかと思いますが、実は、そうでもないらしい。
では,ニコジャ半島が長寿の地域として選ばれた理由、他の長寿の地域と比べてどこに特徴があるのか?
食生活、生活習慣は、大まかに言えば他の長寿の地域とほぼ一緒。それ以外の特徴を幾つか挙げてみましょう。
存在理由
人には生きる上で、存在理由が必要です。逆に存在理由が無くなると生きる存在価値なくなり、一気に老けると言われています。
その点、ニコジャ半島の高齢者は強い目的意識を持っています。
ここの長寿者は「家族の面倒を見る責任は自分にある」という意識を持っていることが多いようです。
婚外恋愛
その他の特殊な点といえば、多くの男性が結婚相手以外の愛人がいるそうです。婚外恋愛をすることが長生きに良い影響を及ぼしていると言い切れるのだろうか?
人と人が触れ合うことは健康に良いことはわかっていまます。自分のパートナー以外の人と関係を持つことで、性生活が充実することは間違いないでしょう。
人は恋愛をすると生き生きします。そう考えると、たとえ既婚者でも自由な恋愛を楽しむことは、実は健康に良い影響を与えるものだと納得してしまいます。
もちろん、倫理的な問題はありますが。
コスタリカ国内における特徴
ニコジャ半島をコスタリカの他の地域と比べて、異なっている特徴は何か?
以下の3つの点が特に突出した違いです。
- 国内で最も気温が高く、湿度が低い。
- 一年を通して、最も日照時間が長い。
- 水にカルシウムとマグネシウムが豊富に含まれている。
温暖な気候と太陽、ミネラルが豊富に含まれている水が大きな役割を果たしているのはコスタリカ・ニコジャ半島に限ったことではありません。この3つは、長寿者が多い他の地域にもよく見られることに気付きましたか?
食文化
ニコジャ半島の食生活の大部分は長寿者が多い他の地域と共通しています。低カロリー、低脂肪の植物性食品を基本とした食事。特に豆料理が多いようです。では、他の地域と異なるものは何か?
ニコジャ半島の人々の食事をのぞいてみると、ほとんどの食事にトウモロコシをたっぷり使って作られたトルティージャが出されること。また、ニコジャ半島の地域的な特徴に水も挙げました。
食事の内容は違っていても、野菜、果物、穀物を中心とした食事に、ミネラルが豊富に含まれている水が日常的に食されているという点では他の長寿の多い地域とほぼ同じですね。
ニコジャ半島の食生活が長生きに効果があることは間違いありません。それが何か詳しく探ってみましょう。
野菜と果物
ニコジャ半島には胃ガンの死亡者がコスタリカの中でも少ないという調査結果が出ていますが、その理由は食生活にあるだろうと言われています。
ビタミンCとベータカロチンに胃ガンを抑える作用があると考えられていますが、野菜や果物にはそれらが豊富に含まれています。
実際、ニコジャ半島の人々は大量の新鮮な果物(マンゴー、パパイヤ、オレンジ、チコサポーテ)を摂っています。
コスタリカの他の地域でも果物は食べているはずです。しかし、なぜ、ニコジャ半島だけが胃ガンの死亡者が少ないのか?
その違いは、ニコジャ半島の住人は地付きが多く、地元で新鮮な野菜や果物が身近で採れるからでしょう。
トウモロコシを主食とする伝統料理
コスタリカはチェロテガ・インディアンを先住民族に持ち、その頃から食べられている伝統食が長生きに関わっているだろうと言われています。
コスタリカの住民はチェロテガ・インディアンの時代からトウモロコシを食べてきました。しかも、トウモロコシをそのまま食べるのでなく、この地域特有の方法で処理してから調理します。
その調理の過程で石灰を使うため、トウモロコシにカルシウムがたくさん含まれます。おまけに、最近の研究よると、トウモロコシを生で食べるよりも、調理したほうが抗酸化作用が強くなるという結果も出ています。
食事はトウモロコシを粉にし、こねて作ったトルティージャを中心に、他にも米、豆などを食べます。穀物をたくさん食べることが健康によいのは知っていますが、ここでは特にトウモロコシを自分で引くことが大事です。
トウモロコシが精製されていないだけではなく、自分で引くと粉は荒いままです。では、粉が荒いと、どんな利点がありのか?
- よくかんで食べないといけないので食べる量が減る。
- 炭水化物の吸収するスピードが遅くなり、血糖値が急に上がりにくくなる。
日本では健康志向の人たちは玄米を食べますが、原理は同じですよね。精製されていないことで、白米と違ってよくかんで食べないといけません。食べる量が減ります。国こそ違いますが、健康的な食生活は似ています。
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かれこれ10年以上、発芽玄米を食べていますが、ガンの再発を今日まで防げられたのは発芽玄米を食べているからと言っても過言ではありません。もちろん、発芽玄米を食べただけでガンの再発防止ができるとは言っていません。しかし、ガンの再発防止に貢献している主な要因の1つであることには間違いありません。
発芽玄米を食べることがどれくらいのメリットがあるのかわかれば、きっとあなたも今日からご飯を発芽玄米にしようと思うはずです。
毎日でも、自宅で気軽に玄米を発芽させて、食べることができるので嬉しいです。
硬水をよく飲む
ニコジャ半島の水は石灰質の岩床で濾過(ろか)されていて、高い濃度のカルシウムとマグネシウムを中心にミネラルが豊富に含まれています。カルシウムが次のように、健康によい影響を与えているのは知っていると思います。
- 骨を丈夫にしてくれる。
- 筋肉の収縮を可能にする。そのため、心臓の筋肉の働きもよくなる。
一般的にお年寄りはカルシウムが不足がちですが、ニコジャ半島の場合はこのカルシウムが豊富に含まれている硬水を飲んでいるため、骨も丈夫、心臓も強い。
西欧では水道水をフィルターで濾過して飲むことが多いのですが、健康志向の人たちは我が家と同じようにミネラルウオーターに高いお金を払って飲んでいます。これも健康のため。健康のためならケチらずに、惜しみなくお金を使います。
夕食は軽く
ニコジャ市の北に位置する丘に、フアン・ディアスという町があり、この町の人びとの生活パターンは昔から変わっていません。水道も電気もない。当然、電気を使った娯楽、テレビやラジオもありません。調理はかまどを使います。
1日の行動は日が昇るともに起き、日が沈むと同時に寝る。仕事は朝起きてから午後の二時には切り上げる。午後はのんびり過ごすため、夕食時はそれほど食欲がわかない。
そのため、夕食は簡単にすませる。夜はエネルギーを消費する量が減るので、夕食を軽くすることで余分な脂肪をためずにすみます。
1日の生活リズムが自然と調和していることは素晴らしいと思います。しかし、現代社会ではとてもじゃないけど、この生活スタイルは真似できません。
それでも、早寝早起き、夕食は早めに軽く食べる心がけはできそうですね。
生活スタイル
家族第一
ニコジャ半島でも、長生きしている人たちは一人で暮らしていません。子供夫婦、孫と一緒に生活する場合が多いようです。1人だけ、あるいは老夫婦だけで暮らすのは寂しいもの。子供に世話をしてもらう、あるいは孫の面倒を見ることで、精神的にお互いに支え合っています。
ニコジャ半島では、長寿者が家族の面倒を見るべきものだという考え方があります。家族を第一に考えること、家族のために何か貢献できることで自分の存在理由を見いだしているのでしょう。
これこそが、彼らの「生きがい」。家族が生きる目的となり、それが生きる活力へと変わっています。
友達付き合いを大事にする
長寿者の人たちは家族に献身的です。家族で一緒に過ごすことにより、お互いに助け合う人間関係を築いています。かといって家族に依存しているわけではありません。彼らの多くは午後になるとお互いに、家を訪問し合います。
のんびりと午後の時間を一緒に楽しく過ごすことで、精神的に安らぎをもたらしてくれるのでしょう。この習慣は沖縄でも見られます。
1人ぼっちで家に閉じこもるのではなく、外に出て人と会い、おしゃべりをして、笑って、ゆったりとした時間を友達と一緒に過ごすことが健康に良い影響を与えていることは否定できないでしょう。
よく働く
長寿者たちが多い地域をみると、どこも働き者が多いことがわかります。ニコジャ半島でも同じで、若い頃から働く習慣が身についています。畑仕事、掃除、食事の準備、生きていくために必要なことは年をとっても続けています。
仕事をすることで得られる充実感と周りから感謝されることが、彼らの生きがいでもあるのでしょう。
仕事をするメリットはそれだけではありません。ここでする仕事はどれも体を動かす必要があります。体は使えば動きますが、使わなくなれば動けなくなります。
いくつになろうとも体を動かし続けることで、筋肉を維持できます。筋肉の衰えによる転倒が防げます。骨も丈夫になり、骨折による寝たきりも防げます。
太陽を浴びる
サルデーニャ島の長寿者たち、ひんぱんに外に出て太陽を浴びています。ニコジャ半島の人びとも同じように畑仕事、まき割りなど外でする仕事が多いため、よく日光を浴びているようです。
ご存じの通り、日光浴をすることでビタミンDが作られます。骨が丈夫になり、骨粗鬆症、心臓疾患の防止になるというメリットがあるからこそ、日光浴をオススメするのです。
外でよく働くことで必然的に太陽を浴び、体も動かす。一石二鳥です。
別に一日中、太陽を浴びる必要はありません。1日に15分ぐらい浴びれば良いのではないでしょうか。
現在、私はヨーロッパに住んでいます。夏は日が長くて良いのですが、冬はとにかく日照時間が短い。
親の世代の人たちがちょっとしたことで転び、骨折したなんてことはよく聞きます。おそらく、ヨーロッパではよくあることなのでしょう。そのため、骨を丈夫にする必要があります。お年寄りがホームドクターからビタミンDのサプリメントを摂るように勧められているのも納得がいきます。
まとめ
コスタリカのニコジャ半島での長寿者たちの長生きの秘訣は、今まで見てきた他の地域と本当によく似ていることに気づいたと思います。都会に住んでいる人たちにとって、彼らのような生活スタイルを100%まねることはもちろんできません。
それでもそれに近いことは実行できます。
ここに、自分たちが住んでいる環境でも実行できるのかどうか簡単にまとめてみました。
- 硬水をよく飲む:ミネラルウオーターを飲めばいいでしょう。
- 生きがいを持つ:地理的、物理的に関係なく生きがいは持てます。自分が生きる存在理由を見つけましょう。それが何か、人によって違いますが、人のために役に立つことを念頭に置いて考えましょう。
- 家族が第一:一人暮らし、または老人ホームなんかに入るのはやめ、家族と過ごすことをオススメします。子供、孫と一緒に過ごすことで精神的な支えになります。いざ、何かあった時も助けてもらえます。
- 夕食は軽めにする:寝る何時間前は食事をとらない方が良いのはわかっていると思います。1日の動きが太陽の動きに沿っているので、日が沈めばすることがないため寝ます。そうなると、日没のもっと前に夕食を済ませないといけませんよね。しかも、軽く食べることで、余分な脂肪をためなくて済みます。
- 人付き合いを維持する:人と会ってよくしゃべり、よく笑う。
- よく働く
- 日光浴を適度にする
- 伝統的な食文化を大切にする