回想記 5:肝臓に悪い生活習慣はやめる

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生活スタイルを変える

さて、長生きすることを誓ったのはいいが、何から手を付けて、具体的に何をすればいいのかわかりません。

いろいろ考えた結果、まずはじめに今までの自分の日常生活を振り返ってみることにしました。その中から、健康に悪影響を与えるだろうと思われる生活習慣、特に肝臓に負担をかけた事をリストアップします。そして、それらの生活習慣を自分の意志でコントロールできる物はキッパリ止める。

中には自分ではどうしようもないこと、例えばストレスのような外的要因に左右されるものをなくそうと思っても、そう簡単にはいきません。しかし、自分の意志で外的要因を避けようとする努力はできます。

それから、健康によいとされる習慣、特に肝臓の働きをよくする生活習慣を取り入れることを考えました。

この時点では肝機能の改善が最優先ですが、しばらくして肝機能が安定し始めた頃から健康全般についていろいろ調べるようになりました。本を大量に買い込み読みあさりました。おそらく、30冊ぐらいは読んだと思います。それらの中から無理なくできそうなことをピックアップして徐々に実行していきました。

長続きしなかったものもあるし、逆にそれだけでは物足りなく改良していったもの、自己流にアレンジしたものなどもあります。自分が今日まで、十数年かけて構築した生活習慣を細かく見ていこうと思います。主観的な意見なので、あくまでも多くある健康法のうちの1つとして参考にしてください。

肝臓に負担をかける生活習慣をやめる

肝ガンができたわけですから、自分が最初にするべきことは「肝臓に悪い生活習慣は何か?」を考えることでした。

真っ先に頭に思い浮かんだのは「酒」と「薬」でした。お酒は誰もが知っていること、しかし、薬も肝臓に毒だという概念は一般的に知られていません。薬は諸刃の剣で、症状を軽減する働きもありますが、肝障害を引き起こすこともあります。私自身は、薬はよっぽどのことがない限りは服用しないようにしています。

そういうわけで、「酒」と「薬」の二つは肝臓にダイレクトに悪影響を与えるので避けることにしました。

それから、疲労とストレスが挙げられます。この二つはダイレクトに肝臓を傷めるわけではありません。しかし、疲労とストレスが原因で免疫力が下がり、肝炎ウイルスが増殖しやすくなるので注意する必要があります。

薬は肝臓どころか身体全般にわたって何かしらの副作用をもたらします。なかには、薬が原因で副作用に一生悩まされたり、死にいたることもあります。もちろん、薬の種類、投与量、患者の体質などにもよります。 過去十数年で2,3度ほど、軽い風邪を引いたことがありましたが、その時も薬を飲みませんでした。体を温めて自然治癒力を高めて、薬なしで治しました。

薬はできるだけ飲まないようにしていますが、もっとも、生活習慣全般を見直したおかげで、病気らしい病気をしなくなったので、薬を飲む機会もほとんどありません。

お酒

お酒はたしなむ程度で飲むなら、むしろ健康によいことは知っています。フランス人の平均寿命が高いのも、サルデーニャ島に100歳以上の長寿者が多いのも、共通しているのは赤ワインを飲んでいるからだと言われています。

もっとも、お酒が健康に良い影響を与えているのは、肝臓が正常な人たちが対象で、私のような肝臓病を持っている人には当てはまりません

そういうわけでお酒はこの先、一滴も飲まないと誓いました。あれから十数年たちますが、飲んでいません。一度だけ、居酒屋でカルピスを頼んだ時に、間違ってカルピスサワーが出てきて、知らずに一口飲んだことがありましたが、あの時だけです。

お酒を絶ってからの数カ月は、大好きなお酒が飲めなくなり悔しかったです。皆が飲んでいるなかで、自分だけが水を飲んでいるのがつらい時もありました。それも徐々に慣れてきて、今では自分だけが飲めなくてもなんとも思わなくなりまりました。

むしろ、お酒をやめたおかげで晩酌をしてすぐに寝てしまうこともなくなりました。そのため、晩御飯の後はギターを弾いたり、本を読んだり、自分の時間を有効に使えるようになりました。お酒が飲めなくなったことを悔やむよりも、趣味に費やす時間ができで良かったとポジティブに考えられるようになりました。

今ではおいしいノンアルコールビールがたくさん出ています。バーベキューをする時など、雰囲気を味わいたくなればノンアルコールビールが飲めばいいのです。幸いなことに、ヨーロッパではドイツ産のノンアルコールがとてもおいしく、安く飲めるので助かります。

疲労

肝炎が発症した時、知らずにいつも通りに体を動かしていたために、肝炎はずっと続いていました。それが、体をしばらく安静にしていたら肝炎が次第におさまるのです。安静にすることで肝臓を休まり、疲労が肝臓に負担をかけることを身をもって知りました。それ以来、体を極度に疲れさせることはなるべく避けることにしています。特に、夜更かしによる睡眠不足には気をつけています。

仕事もほどほどに。残業は論外。疲れたら無理せずに体を休ませるようにしています。最近では朝起きた時に体の疲れが取れていないと思ったら、会社に電話してその日は欠勤にしてもらいます。日本では少し無理かもしれませんが、ヨーロッパでは病欠扱いにしてくれます。

おまけに、ヨーロッパでは昼休みが2時間も取れるし、残業をすることもありません。昼休み時間を利用して、テニスに行ったり、夕方は7時には帰って家族と一緒に過ごす時間があります。ゆとりを持って仕事ができるのでありがたいものです。ヨーロッパでは日本と違って過労死という概念はありません。

ところで、運動は疲れるため肝臓に負担をかけることになるのでしょうか?

肝臓に異常がない人には、過度な運動による肝臓への影響はあまりありません。私みたいなB型肝炎のキャリアでも、肝臓が正常な状態にある時は、運動のし過ぎで炎症を起こしたことはまだありません。もっとも、運動のし過ぎで膝や腰などを傷めて体が故障すれば、肝臓だけの問題ではなくなります。

「肝臓は沈黙の臓器」と言われているため、どれぐらいの疲労まで肝臓が耐えられるのかわかりません。気づいた頃にはもう遅いので、運動も無理しません。軽い疲労を伴う適度な運動量にとどめるようにしています。

仕事による過労はないし、適度な運動をするゆとりが持てるので、この先ずっとヨーロッパで仕事をする分には疲労が原因で肝臓を傷めることはないでしょう。

ストレス

肝ガンの摘出手術した後は自分の病気について知るために、ネットでガンの闘病記などを読むようになりました。その時によく「ストレス」という言葉が出てきます。ストレスが原因で引き起こす病気について、どうやってストレスを抱えないようにするか、どうすればストレスと上手に付き合えるようになるのか、などが書かれています。

現代社会でストレスが原因でさまざまな病気を引き起こすことがわかっています。ということは、過度なストレスが肝臓にも悪いはずなのもあたりまえです。

そのため、私は自分がストレスと感じることは何かを考えてみました。

  • 仕事場での人間関係
  • 夫婦ゲンカ
  • 子どもたちを教育する上で生じるストレス

幸いなことに経済的に困っていないため、金銭面によるストレスはありません。通勤も車出勤で会社まで20分です。テニス、水泳、ギターなどの趣味でストレス発散しているし、住む家もあり、まわりの環境もいいので、これと言ったストレスは他にありません。

こうしてみると、主に人間関係が原因でストレスを感じるのだとわかります。それ以来、もめごとを避けるために相手を怒らせない、相手が怒っても冷静に対処する方法、あるいは自分が怒らないようにするにはどうするべきかを考えるようになりました。

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