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自分が大病する前は、喉が渇いた時はいつも冷たいものを飲んでいました。運動の後はもちろん、普段ですら冷えた水を飲んでいました。夏場は当然、冷たい水です。振り返ってみると、あの頃は冷たい水を飲むと、時々お腹の調子が良くなかった記憶があります。
大病をし、健康に気をつけるようになってからは、免疫力を高めるのに冷たいものは避けているようにしています。
特に注意している点は喉が渇いたとき。喉が乾いたら、反射的に水を飲むのをやめ、お湯かしょうが湯を飲むようにしています。温かいものを飲む一番の理由はもちろん、体を温めて免疫力を高めるためです。詳しくはこちらでも書きました。「体温を上げて、免疫力を高める方法」
一番簡単に免疫力を上げて、健康を維持できる方法は「お湯を飲むこと」です。
できればお湯はお湯でも、単なるお湯ではなく白湯を飲むことです。命の水と言っても過言ではありません。作り方も飲み方も簡単。お金もほとんどかからない。ちょっとの手間がかかるくらいです。
私は毎日、朝起きたら白湯を作って飲んでいます。さて、この白湯がどれほど体にいいか、見てみましょう。きっとあなたも明日からは白湯を作って飲みたくなるはずです。
白湯って何?
白湯とは、水を沸かしただけのお湯ではありません。ちゃんとした方法で使ったお湯を白湯と呼びます。この白湯は普通のお湯と比べて、飲み口が軽くてサラッとしています。飲んだ後は体が軽くなった感じがし、お腹がじんわり温まります。
白湯を飲むことは体にどんな効能があるのか?
私自身がこのサイトで行っている健康法は、白湯を飲むだけではありません。なので、白湯を飲むだけで得られる効能は、私自身の体験からは説明することは正直できません。
しかし、いろいろなところで白湯の効果が実証されています。人によって得られる効果には差が出ると思います。たとえ、目に見える効果がなくても、お湯を飲むこと自体が体に悪い訳がありません。まして、ちゃんとした方法で作った白湯に至っては、悪いどころかいい面しか見つかりません。
しかも作り方は簡単。一般家庭なら特に買い足す物はありません。やかん、または鍋と火、それと水!それだけです。作り方も簡単、お金もかからない。なのに、さまざま病気の予防あるいは改善に効果がある。こんな素晴らしい白湯を飲まないのはとても損です。
白湯の効能
白湯はお茶などの飲み物と違い、バランスが整った純粋な飲み物です。白湯を飲むことで体にたまった毒素が洗い流されます。内蔵をキレイに掃除されるだけではなく、胃腸が温まることで胃腸の働きも高まり、消化力が上がります。
毒素がキレイに洗い流されると、毒素がたまりにくくなります。そうなると体の代謝もよくなり、体内に摂り入れた栄養素は体の組織にくまなく取り込めるようになります。
このように、白湯は体の働きの根本的な部分に効果があるため、体の調子を整え、さまざまな体の不調、病気を改善してくれます。
白湯の作り方
1.まずは水を準備。ミネラルウォーターなどの特別な水を準備する必要はありません。飲水として適しているのなら、水道水でも構いません。日本の水道水はキレイな水です。もちろん殺菌に塩素などを使用していますが。我が家では水をいったんフィルターに通して、濾過してから使っています。
2.水をやかん、または鍋に入れて蓋をして火にかけます。換気扇も回してください。沸騰したらフタを外し、フツフツした火加減で10分から15分ほど沸かします。この際、水道水に含まれているトリハロメタンや塩素などは除去されます。
大事なのは、フタを外して有毒物質を気化させることで、キレイなお湯ができあがることです。
3. 沸騰した状態の白湯をすぐに飲むと火傷します。少し冷ましてから飲んでください。すぐに飲まないのであれば、ポットに入れて保存しましょう。私も朝起きたら一リットル以上作っておいて、ポットに入れてあります。これなら、日中に飲みたいときにすぐに飲めます。簡単といっても毎回10分以上の時間をとられるのは嫌ですよね。
白湯に含まれるエネルギー
白湯を作るときに、いくつか疑問が出てきます。
- 電気ケトルを使って沸かしてはいけないのか?
- 沸かす時間は数分ではダメなのか?
- いったん冷めた白湯を温め直すのはダメなのか?
- どうして換気扇をかけるのか?
これらの質問に答えるにはアーユルヴェーダの考え方を理解する必要があります。すべての人にはドーシャとよばれる3つのエネルギーを持っているとされます。風(ヴァータ)、火(ピッタ)、水(カッパ)の3つです。この3つの質を白湯に取り入れることで、バランスの取れた白湯ができると言われています。そのため、換気扇を回し(風)、沸かすのに時間をかける(火)必要があるのです。
もっともこの部分は若干、非科学な所もあるような気もするが、害はなさそうなので信じることにしましょう。
白湯の飲み方
白湯の効果はもちろん温かいうちに飲むことで発揮します。10分以上沸かしてできた白湯は熱くて飲めません。少し冷ましたぐらいの熱さの白湯を、すするように少しずつ時間をかけて飲むのがいいでしょう。
いつ飲むのがいいのか?
- 朝起きて一番に飲むことをオススメします。起床したばかりの体は冷えているため、この時に白湯を飲むことで体が芯から温まります。代謝が上がり、胃腸も刺激され朝の排出もスムーズになります。
- 日中ものどが乾けば水を飲む代わりに白湯はどうですか?眠気に襲われたときなども白湯を飲むことで、毒素を流してくれます。食事中も白湯を飲むと消化を手助けしてくれます。
- 最後に夜ですが、寝る前にも本来水を一杯飲むと良いとされます。寝ている間に血栓ができやすいため、血液をサラサラにするためにも水分を補給することはオススメです。この際、単なる水ではなく、白湯を飲むのはどうでしょう?体が温まり、心地よく寝られて一石二鳥です。
白湯の効果
白湯を飲むことで、どのような効果があるか見てみましょう。ほんの一部ですが、基本は体を温め、消化力を高めることで体調を整えることです。
冷え
一般的に冷え性といえば女性に多く見られますが、隠れ冷え性の男性も多いと言われています。
免疫力は体温が一度下がると数10%下がると言われています。体温が下がると免疫力が下がるため、風邪を引きやすくなります。日本人を含めたアジア人は西洋人に比べて、体温が低い。西欧で37度の熱が出て医者に行くと平熱と言われて返される話は、西欧に住んでいる日本人の間ではよく聞きます。
そんなに体温が低めなのにも関わらず、冷たいものを飲んだり、食べたりするため冷え性が治るわけありません。
体が冷えると胃腸が弱り、代謝も進みません。そして未消化物がたまり、便秘や不調の原因となるのです。
白湯を飲むことで、胃腸が直接温まります。胃腸が温まれば全身も温まり、体の機能が活発になります。こうして代謝が高まれば、体内にたまっている未消化物が燃焼され、体調がよくなりますし、病気の予防にもなります。
風邪予防
「風邪を引く」を英語で言うと「Get a cold/Catch a cold」となります。字を見てわかりますが、体が冷えるために起こる現象です。「冷え」の部分でも書きましが、体を温めることで免疫力が上がります。免疫力が上がれば、外から侵入してきた細菌やウイルスを退治してくます。免疫力が入ってきた異物をから守ってくれるのですが、免疫力が低いと異物に攻撃され、そして風邪など引きます。
白湯を飲むことで体温が上がり、消化力が上がり、そして消化力が上がる。冷えを解消させるのと同じことです。
疲労
寝ても取れない疲れの原因は、未消化物であることが多いそうです。体内にたまった未消化物の重たさがそのまま疲労感となります。この場合も代謝を良くし、未消化物を除去するために、白湯を飲みましょう。未消化物が浄化されれば、睡眠時間が同じでも疲れの感じ方が違ってきます。
胃もたれ
消化に悪い食事、食べ過ぎ、夜中の食事などが体に大きな負担をかけます。胃もたれを防ぐには、まず食事の量をほどほどに抑えること、食べる時間帯も夜中の食事は避けるようにしましょう。
食べたものが消化しきれずに胃に残った状態が胃もたれの原因。食事を摂る時はお腹が空いてから摂るようにすること。そのためにも白湯を飲み、消化力をあげることで胃もたれは解消されます。そうなればお腹がスッキリし、次の食事時間までにはきちんとお腹が空くようになるでしょう。
日中の眠気
日中、仕事中や勉強中に眠くなることよくありませんか?
私もそうですが、よく食後に眠くなる人が多いのだが、不思議なことに大人に多く見られるが、子供には見られません。どうしてだと思いますか?
眠くなるのは胃腸の消化力が弱っているからです。子供の消化力は弱っていないため、食後も眠くなることがありません。消化力が弱っている時に、食後の食べたものを消化しようと更に血液が胃腸に流れ込みます。
そのため、脳に流れる血液量が減り酸欠となり、その結果眠くなるのです。
ここでも白湯を飲むことによって、消化力を高め、未消化物を速やかに浄化させれば、日中眠くなることはありません。
ダイエット
ちまたにはいろいろなダイエット方法がありますが、白湯を飲んで体重を減らす方法はあまり聞きません。白湯を飲むだけで本当にダイエットできるのか?
食事制限をしているのに、なかなか体重が減らないのは消化力が弱いのが原因の一つでもあります。消化力が弱いと未消化物がたまっていきます。
白湯を飲んで消化力をあげ、食べたものをしっかり燃やすことができれば、余分な脂肪はたまりにくくなります。
だからといって、白湯をのみさえすればいくらでも脂っこいものを食べていいわけではありません。
中国料理は意外と油っこい料理が多いのにも関わらず、それほど肥満がいないのはなぜか?
食事中によく熱いお茶を飲むのを見ませんか?実は、太らないのはこの熱いお茶のおかげなのです。ベストは食事も白湯を作って飲むことですが、お茶でもスープでもとにかく温かいものを飲みましょう。
今では日本を抜いて、香港が長寿世界一になりました。どうしてなのか?
中華料理の中でも香港で作られていている広東料理は比較的油っこくありません。その上、お茶をよく飲みます。また、家庭では漢方薬を煮込んでスープにして飲むことが多いためだと思っています。ダイエットを考えるのなら、食事中は水やジュースなど、冷たいものを飲むのではなく、白湯やお茶、スープなど温かいものを飲むと良いでしょう。
その他
この他にも次のような症状や美容、ダイエットなどに効果が見られます。全ては、白湯を飲むことで、未消化物が浄化され、消化力を高めてくれるからです。さまざまな病気の原因にもなっている消化力低下を改善させることで、病気の予防にもなるのです。
- 二日酔い
- 痛風
- アレルギー性鼻炎
- 血糖値を下げる
- 動脈硬化の予防
- 便秘
- 美肌
まとめ
中国ではお湯を飲む習慣があります。日本人にしてみれば、お湯を出されると一瞬「ん?」と思うかもしれませんが、中国人家庭ではよく見られます。昔からの生活の知恵なんでしょう。体を温めるのにお湯を飲むことが一番簡単な方法で、効果がある事を知っているのだと思います。
皆さんも白湯を飲むだけでこんなにも沢山の効果があるなんて、信じられないかもしれません。別にお金がかかるわけでもありませんので、騙されたと思って試してみてください。