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食生活が健康に大きく影響するのは誰もがわかっています。しかし、頭でわかっていても人はなかなかその習慣を変えようとしません。
本来なら私みたいに命が関わってくると人は本気になります。しかし、人は年をとればとるほど習慣を変えるのが難しくなってきます。特に食べることは日常生活の楽しみの一つ。食べ慣れたものをやめて健康のために野菜中心、玄米、雑穀を食べろと言われても、そう簡単には変えられません。
当時の私はまだ30歳と若く、人生これからです。生きるために必死でした。栄養バランスを気にせず、好きなものを好きなだけを食べれれば幸せですが、健康を最優先に考えるとそうはいきません。
幸いなことに食に関してはそれほどうるさい方ではないので、食生活を見直し、改善するのに時間はかかりましたが苦ではありませんでした。
初めの方はとにかく、肝臓によいものなら何でも試しました。本やネットで紹介されている、肝臓によいとされる食材を使った料理がほとんど。もっとも、肝臓に良い食事は肝臓にだけではなく、健康そのものによいのです。それから徐々に、長生きするために食生活を全般にわたってガラッと変えました。
今では、肝炎患者に食生活を指導する際、昔みたいに肝臓によい食材を摂るように勧めていません。バランスの良い食事を摂ればいいのだという方針に変えているそうです。
過去10年間、特に手術後の1、2年の間に試した健康食品、または注意する点を中心に挙げてみようと思います。ガンの再発が怖くて、手術後の1、2年は特に力を入れていました。その後はあまりにも多くのことをいろいろ試し過ぎたので、長続きできそうな事だけに少しずつ絞っていきました。
卵、鶏のささ身など良質な高タンパク質をとる
肝臓の回復を助けるためには、食事の改善が欠かせないことはどの本でも紹介されています。特に良質なタンパク質を摂ることを勧めています。肝炎が発症する以前は魚介類、大豆製品、卵、鶏肉などを中心でしたが、牛肉、豚肉も食べていました。
肝ガンの摘出手術をしてからは、厳しく食事制限をしようと決めました。何かの本に「人間の体温よりも高い動物は食べるべきではない」と書かれていたのを読み、それ以来、牛肉、豚肉はなるべく避けるようにしています。人間の体温よりも低い魚と鶏肉の脂肪分が少ないささ身を食べるようにしました。
卵は良質なタンパク質だけではなく、生き物が必要としている栄養素が全て含まれる完全栄養食。そんなわけで、ゆで卵は1日に1個は食べるようにしました。余談ですが、そのせいでかなり臭いおならが毎日のように出るようになり、妻からは寝室は毒ガス室だと嫌みを言われます。そんなこと言われても、肝臓回復が最優先ですので仕方がありません。
今こそはホームパーティーで牛肉や豚肉が出されれば、断らず食べますが、あの頃はかなり厳密に守って食べませんでした。あるいは、招待される時点で牛肉、豚肉は食べないと伝えておきます。そうすれば、招待側もせっかく作った料理を食べてもらえず、嫌な思いをする必要もなくなります。
肉を食べなくなってから数年がたった頃から、少しずつ食べるようになりました。もっとも、食べるといっても年に数回程度です。おまけに、お肉は有機畜産のものしか食べません。大量生産された肉は抗生物質などを使用しているからと、これも何かの本で知りました。
野菜についた農薬は洗ったり、湯がいたりすれば落ちます。しかし、お肉はそうはいきません。
レストランやホームパーティーで肉を食べる時がありますが、大抵その日の夜は胃がムカムカします。普段から食べ慣れていないので胃がビックリしているのでしょうか。おまけに、次の日は便秘気味です。
ヨーロッパに住むとわかりますが、肉料理が多いこと、多いこと。しかも、おいしいのです!誘惑に負けそうですが、外食しても肉料理はなるべくパスします。なぜなら、ヨーロッパに長く住むとよく見かけるのですが、こちらの多くのお年寄りは下半身がむくれていることが多いのです。
若い頃から乳製品、脂肪分の多い肉料理などを食べているのでしょう。コレストロールがたまることで血管がつまり、血液がうまく流れずに足がパンパンに腫れるのを見れば肉を食べる気もなくなります。
肉を食べない習慣ができたので、このまま維持しようと思います。
イワシ、サバ、などの青魚、小魚を食べ、マグロなどの大きな魚は避ける
一般的に肉の食べ過ぎは健康によくなく、魚介類を食べる方が健康によいとされています。世界でも日本人は体形がスリムで、長生きするのは魚をよく食べるからだと思っている人が多いようです。私もずっと、そう思っていました。しかし、自分が食生活を見直すようになってから、間違って認識していたことがたくさんあることに気づいたのです。
「魚は健康によい」は半分はあっていて、半分間違っているということがわかったのです。全ての魚が健康に良いかというと、実はそうではない。マグロなどの大きな魚には、水銀の含有量が小魚に比べて多いということをあまり知られていません。
お寿司が大好きでよくマグロ、特にトロを食べていました。しかし、それを知ってからはお寿司を食べる時はマグロを避けるようにしています。ツナ缶を使った料理もそうです。ツナのサンドイッチも大好きですが、健康を考えると少しためらいます。
もちろん、食べたいのに我慢し過ぎると逆にストレスになるので、時々は食べます。おいしいものを食べて「おいしかった!幸せ!」と感じることも大事です。
それ以来、魚といえば、サバ、イワシなどの青魚、ししゃも、しらすなどの小魚を中心に食べるようにしています。サバ、イワシはヨーロッパではマグロやサーモンの4分の一以下の値段で安く手に入ります。簡単に手に入りやすく、安い上に健康に良い。そんな「おいしい」魚は主婦の強い味方。もっと積極的に食べてほしいものです。
小魚の良いところは頭からしっぽまで丸ごと食べることで、タンパク質だけではなくカルシウムもとれるところです。子供の成長を考えるのなら、牛乳よりも一口イワシをオススメします。牛乳は低温殺菌ならまだしも、一般に販売されている牛乳は高温殺菌されているものが多く、健康に良いどころか動脈硬化の原因になると言われています。
我が家では栄養満点のふりかけを自分たちで作っています。材料は煮干し、干しエビ、とろろ昆布、ごま、青のり。この自家製のふりかけを雑穀入り発芽玄米ご飯にかけて食べています。この一杯だけで、タンパク質、カルシウム、ミネラル、食物繊維が入っている完璧な全体食の出来上がりです。作り置きができるので、おにぎりを作る時にも市販のふりかけと同じように使えます。
とても便利なので、ぜひ試してみてください。
発芽玄米と雑穀を食べる
食生活を見直すに当たって、健康に最も効果があったと思えるのは発芽玄米です。日本で出版されている健康関連の本をたくさん読みましたが、どの本でも玄米が紹介されています。
我が家でも早速、有機栽培の玄米を買ってきて、ひえ、麦、キヌア、アマランサス、豆、ソバ、などの雑穀を足して炊いて食べるようにしました。しかし、玄米のままでは固くて、正直言っておいしいとは思えませんでした。
小学生の子供2人もまずいと言って食べようとしません。そこで、玄米を発芽させることで柔らかくなり、食べやすくなると本に書いてあったので、日本から玄米発芽器を購入することにしました。
本当に発芽するのか?本当に発芽することで、食べやすくなるのか?最初は半信半疑でした。しかし、ちゃんと発芽してくれたのです!しかも、おいしい!
ちなみに、おいしいと思うのは私だけで、子どもたちはそれでも白米がいいと言っています。発芽して柔らかくなったとは言っても白米ほどではありません。一応、玄米の時よりは食べやすくなったので食べるようにはしています。
発芽玄米の素晴らしさはさまざまなメデイアで取り上げられています。
では、発芽玄米の何が良いのか?
- ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれている
- カルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウムなどがたくさん含まれている
- 発芽するときに作用する酵素のはたらきで、糖質が分解され、甘みが増す
- たんぱく質が分解されてうまみ成分である「アミノ酸」が増える
- 玄米は硬い皮に包まれていますが、発芽玄米は、発芽することで、外皮が柔らかくなる
- 食物繊維が多く含まれている
- イライラ対策にGABA(ギャバ)や健康に役立つオリザノールも含まれている
- 白米ほど柔らかくなく、よく噛まないといけないので、食べる量も必然的に減る
- よく噛むことで唾液が分泌され、消化を助けてくれる
どうですか?発芽玄米を食べるということはざっと見てもこれだけのメリットがあります。
同時に白米がいかに健康に良くないのかも知ったので、白米はなるべく避けるようになりました。たまに中華レストランや和食レストランに行きますが、もちろん白米が出てきます。当然、大好きなお寿司も白米を使います。さすがにその時は食べます。
月に一回ぐらい白米を食べたところで、大した影響はありません。100%ストイックに守っているわけではありません。そこら辺は「ゆる~く、臨機応変」にいこうと思います。
家族全員が発芽玄米を食べ始めたおかげで風邪を引きにくくなったような気がします。私1人がストイックに食生活を変えたので免疫力があがり、風邪を引くにくくなったのはわかるのです。その彼女たちが風邪を引くにくくなったのは、白米から発芽玄米に変えたからだと信じています。なぜなら、妻と子どもたちの食生活で変わったことは、1日に一緒に食べる晩御飯だけ、発芽玄米と野菜中心の食事に変わっただけだからです。
一家に一台は欲しい!発芽玄米が簡単に作れる玄米発芽器
日本ニーダー(KNEADER) 玄米発芽器 発芽のちから YC101G
かれこれ10年以上、発芽玄米を食べていますが、ガンの再発を今日まで防げられたのは発芽玄米を食べているからと言っても過言ではありません。もちろん、発芽玄米を食べただけでガンの再発防止ができるとは言っていません。しかし、ガンの再発防止に貢献している主な要因の1つであることには間違いありません。
発芽玄米を食べることがどれくらいのメリットがあるのかわかれば、きっとあなたも今日からご飯を発芽玄米にしようと思うはずです。
毎日でも、自宅で気軽に玄米を発芽させて、食べることができるので嬉しいです。